親睦を深めよう
「はい、今日のHRはみんなとの親睦を深めるために
ドッジボールをします。」
「「「「「ええぇぇえぇぇぇ」」」」」
「ワイ好きやで、ドッジボール!」
なんだなんだ、ノリ気なのは遠山だけか…?!
「…えーっと、まぁこちらであらかじめチームは用意しておいたから、
はいこれ見てー。」
そういって、AとBに分けられた紙をみんなに見せる。
『Aチーム
白石・遠山・忍足・石田・小石川』
『Bチーム
一氏・金色・千歳・財前・田中』
「よっしゃー!みんなで花子先生を集中狙いするで!」
「「「「おおーっ!」」」」
「……って、なんで私?!
っていうか、一氏。あんた味方だし。」
「味方やけど、
先生もちろん一番に当たってくれるやろ?」
「アホかああぁぁあ!金色もなんかいってあげて!」
「花子ちゃんファイトっ!」
「私にじゃなーい!」
ダメだ、こんなんじゃ拉致があかない。
まあ…とりあえず、やってみるべしだよね!
「……よし、まぁみんな外へ行くぞー!」
.
..
...
「……何で小春が外野やねんっ。」
そういって、一氏が
内野でポツンとそうつぶやいた。
――Aチームの外野には遠山が、
Bチームの外野には金色が自ら推薦していってしまった。
「先生、あたしいくわ〜!」
「え?金色…?別にいいけど、何で?」
「だって、内野はユウ君おるやん。
めんどくさいからあたしいくわ!
それに、顔に傷つきたくないし!」
「(……どこをつっこめば、)そっか。
わかった、行ってこぉぉおい、金色ー!」
そんなこんなで始まったドッジボール大会。
はてさて、一体どうなることやら…。
「じゃあ、ボールはじゃんけんやな。」
「おっけー。いくよ、白石!」
そういって、私と白石でじゃんけんをする。
「「じゃんけんっぽい!」」
私→パー。白石→チョキ。
「よっしゃ、勝ったもん勝ちやー!」
白石にボールがいきわたった瞬間にすぐさま私はコート内を逃げ回る。
「――そこや!」
「必殺技、財前を盾にするを発動!」
「あんた何しはってるんすか。」
何とかボールはこっちにこなかった。
ふぅ!危なかった!
「よし、財前!このまま私をあんたの後ろに!」
「……ぜってぇ嫌。
っていうか、花子先生が標的やないっすか。」
「うるせぇー!いいから、あんたは私のボディーガード!」
「ちょ、花子ちゃんも光も何もめてんのよ〜!
しっかりしなさ〜い!」
私と財前がもめてると、
外野のほうで金色からのダメだしが。
…だって、財前が私の盾になるの凄い嫌がるし!
「しっかりしなさいよ、財前」
「それは花子先生が――ボスッ!
「いってぇぇぇぇええぇぇ、誰じゃボケえぇぇぇえぇつ!」
財前と会話している時に顔面にボールあててきたのは誰だ…?!
――って、忍足。お前か。
「わ…悪気はなかったんや、花子せんせー…」
「よし、忍足。
あんたそうとう反省文かきたいらしいね。」
「ひぃぃ!嫌や、反省文嫌やあああぁぁ!」
そういって嫌がる忍足。
まぁ、これぐらいで反省文かかせるほど私も鬼じゃないしね。
「あーあー。花子先生鼻つぶれてるばいね。」
「……千歳、」
ごめん。
鼻は元々こんなんなんだ。
悪かったね、つぶれた鼻で…!
「よーし、みんなで花子先生の顔面の仇とるわよー!」
「小春がいうならしゃーないな!」
「……っま、これぐらいちょちょいのちょいっすわ。」
「どんどんいくばい」
なんだ…みんなが優しい!
わお、仲間思いの生徒達じゃんか!
「――よぉおおおし、じゃあ私も頑張るぞぉ!」
Bチームが優勝するんだ!絶対に!
.
..
...
「はぁぁ。ほんま疲れたわ。」
そういって、ぐったりと寝転がる白石。
「ほんまほんま。なー、小春。」
「せやねユウ君。
…まあ、久しぶりにこんな動いたわ。」
「うぬぅ。」
「………うわぁ、みんなクタクタじゃん。
体力ないなー。」
「……何で花子先生はそんな体力あんねん。」
そういって、変なものを見るような目つきでこっちをみている財前。
…失礼な!
「ば、ばかだなー、
先生は先生だから体力あんの!」
「じゃあ、今度ワイと2人でドッジしよーやー!」
「2人ドッジ?え?意味わかんないんだけど。」
…まあ、結局ドッジボールの結果
ドローとなった。
AチームもBチームも両者一歩も引かず、
結局はチャイムがなってHRは終わってしまった。
「(……なんか、まあみんなと親睦深めれたかな。)」
顔面にドッジボール当てられたけど、
みんなに少しでも近づけたのならよかったのかもしれない。
「……よし、頑張るぞ。」
「何をがんばんねん…」
「い…いろいろとだよ」
疲れきった白石にそういってみる。
…色々と頑張るんだ、私は!