「――それはな、ハッキリいって花子。
 愛されてないわ!」

バシッ!

一氏黙れや、オルァッ!
 ……大丈夫、花子ちゃん?全くもう…ユウ君のいったことなんて気にしなくていいからね!」

そういって、小春が半泣きの私の背中をさすってくれる。
うー…小春の言葉はあったかいけど、
確かにユウジの言うとおりなのかもしれない。

私…愛されてないのかも。

恋愛相談


「花子ちゃん、謙也見とる限り花子ちゃんのこと愛してないわけではないと思うで」

「う…うーん…」

「ただたんに…謙也は不器用やから、
 何か勘違いしてるんじゃないかしら?」

勘違いって、何の勘違いだよ。


「………ありがとう、小春。
 変に気ぃつかわせちゃって」

「そんなことは――「ユウジもさ。…2人とも、ありがと」

それだけいうと、
私は教室をでた。

…ラブルスに聞いたら何か分かるような気がしたけど、
やっぱり明確に分かるわけなかったかあ…。



ドンッ。

「うわぁっ?!」

「わぁっ?!」

ぼーっと歩いていたら、
目の前の赤い髪の少年に気がつかずにぶつかってしまった。

あ――…この子って、
遠山…なんだっけ?
まあ、遠山君だっけ。


そういえば謙也が語ってたなぁ。


『今の1年にな、めっちゃうっさいのが来てんけど
 そいつむっちゃテニスうまいねんで!

 せやけど言うこと聞かんから白石が手ぇ焼いとるわ。

 そいつの見た目はな、豹柄のタンクトップに赤いツンツンの髪の毛が特徴やねんでー』


「……遠山君だよね」

「んぉっ?!何でワイの名前しっとるん、姉ちゃん」

「いや…謙也から話し聞いたことあるから。
 あー、やっぱり君だったのか…ぶつかってごめんね」

そういって謝ると彼はニッコリ笑いながらブンブンと首を横にふった。

わー、可愛い。
これ癒し系?あ、でも声のトーンがうるさいから
癒しではないのかな。


「ええよええよ!ワイも余所見してぶつかってもーてんもん」

「余所見…?」

「あれや、あれ!」

そういって、遠山君が指差したところには――。
自販機。
オレンジジュースが新しく入ったってきいたけど…あ、本当だ。
オレンジジュースある。リンゴジュースも。

おぉー、レパートリー増えたなあ。


「……遠山君、ジュース飲む?」

「え?えぇの?」

そういって、キラキラとした瞳で私を見つめてくるこの少年。

「(断れなくなるじゃん。)
 いや…うん、まぁいいよ。ぶつかった代わりといっちゃなんだけどさ。」

「そんなん気にせんでもええんにー、」

「まあまあ!それに、ちょっと話したいこともあるしね!」


謙也のことを、
この子に喋っても――大丈夫だよね?


「姉ちゃん、おーきにおーきに!」

そういって、嬉しそうな顔をした遠山君が
オレンジジュースを片手に喜びだした。




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