二人が帰った後、1時間掛けて戻ってきた店長は凄く疲れ果てていた。理由を聞いて見れば買出しに行く際に色々と不運に見舞われたそうだ。

銀行にお金を下ろしに行った際には銀行強盗が押入ってきたり、それを成敗したあかつきには奥様方に囲まれ、色々と質問攻め。

とりあえず適当に逃げてきたところに螺鬼さんが現れ、「おいこら最近お前のセコハラがエスカレートしたとか相談されたんだが…事実か?」と今度は螺鬼さんからの質問攻めに合い。

結局、それに付き合わされて約30分ほど時間と気力を絞り取られ…やっと開放された時にはボロボロの状態で開放されたとか。

なるほど、だから…アメさんはこんなにボロボロなのか。





アメ「あぁ〜!!ミルキちゃんが足りない!!抱きつかせろ!!におい嗅がせろ!!もう【自主規制】させろぉぉ!!」

ミルキ「コラボ小説でそんなこと言っちゃダメでしょ!この変態!!」

アメ「違う。俺は変態という名の紳士なの!!」

ミルキ「って…ことは、紳士=変態という解釈になっちゃうじゃない!!」



アメ「ちなみに、ミルキちゃん限定のね!嬉しいでしょ!!」

ミルキ「そんな限定捨ててしまえ!!そして、全く嬉しくねぇよ!!!!!」



アメ「ミルキちゃぁぁん!!!」

ミルキ「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!寄るな触るな変態が!!
…あ…ごめんなさい、もう言わないから許してえぇぇぇっっっ!!!」






そんな悲痛で愉快な叫び声が店に響き渡った、唯、遊…どうやら私は二人より先に大人になるようだよ。

出来れば今度三人で遊びに行こうね!!その時にアメさんに対する愚痴を聞いてください!!

そして、私のことを大いに笑うと良いさ!!それじゃっ!!






それからとりあえず、アメさん一発殴らせろ。










―――――――――




「…と、此処までが御二人が調べに行った報告です」

「そっか…。うん、分かった…ありがと下がっていいよ」

「では、失礼させて頂きます」




黒いスーツの男は一礼して部屋を出た、ソファーに腰掛ける青年は「ふぅん…」と…面白げに声を漏らしながら一枚の写真だろうか?それを見ながら「あの、アメがねぇ」…と零した。

青年はソファーから立ち上がり、暗い部屋から光り輝く街を見下ろした。此処はとある街のホテルの最上階で、夜でも煩わしい位明るいこの場所は彼にとっては好まない場所だ。

薄っすらと瞳に映る街は輝かしく、だけども…その路地裏はとても…冷たいのだろう。夜の闇に溶けるような黒髪、けれども…その毛先は白くまるで夜明けを思わせた。

そして…左の頭部に飾られた赤い椿の花はその色を引き立たせる。青年はポケットに仕舞い込んだ携帯を取り出し、ぴっ…ぴっ…と弄る。

通話ボタンを押してから耳に押し当て相手が出るのをまt「もひもひっ…!?一兄ちゃんどうしたの!??」……待つ必要は無かったようだ。





「もしかして、起した?」

「うんん!!大丈夫だよ!?寧ろ今の時間じゃないと起きてないくらいだったよ……!!!」

「ん…?そうか。だったら、…こっちでの仕事が終わり次第向かおうと思ってるんだけど。お前達はどうする?」

「一兄ちゃんが行くなら絶対に行く!!!仕事放り出しても行くよ!!」

「ははっ…ちゃんと、片付けてから行くから…そんな焦るなよ」

「……うん。ありがと…一兄ちゃん」

「じゃ、起して悪かったな…」

「おやすみ。一兄ちゃん」

「あぁ。」




ぴっ…と携帯を切り、再びポケットにしまった。








「…、全く…アメの野郎とんでもないもの寄越しやがって」




先ほどの写真のような物を手に取り、そこに写った二人の人物をもう一度眺めてから溜め息を吐く…そして、備え付けられたベットに潜り込んだ。

とりあえず、仕事を終わらせないことには話にならない。そっと、目を閉じて眠りに付く。






そういえば、あいつに会うの久しぶりだな………。

いつ以来だっけ。







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