俺はその話を聞いて、声を上げて泣いた。ヒカリはソフィアに愛されていたと知ってしまったから…俺が知らないだけで、ヒカリは愛し愛されていた。
なのに俺は、感情的になって…ソフィアを叩いてしまった。涙と共に漏れる言葉は謝罪と……懺悔の言葉。
ヒカリを奪ってごめんなさい。ヒカリを殺してしまってごめんなさい。ヒカリを、ヒカリを………助けられなくてごめんなさいっ…!!
ソフィアは俺の背に両腕を伸ばし、…言った。「ハヤト、私はね……。貴女に一つだけ言わないといけないことがあるの」と。
その声は微かに震えているようにも思えた。泣いているようにも聞こえた。
「……なん、だっ…?」
と、嗚咽交じりの声で聞けば。
ソフィアは小さく消えるような声で…
「ヒカリを救ってくれてありがとう。」
その言葉は俺の傷だらけの心の傷を温かく包む。
ヒカリがソフィアを好きになった理由が解かった気がした。
名前さえわからない感情はそれでもただ温かく優しくある
(実は、一つだけハヤトに言っていないことありましてね)
(私は霊の類が見えるんですよ。)
(貴女の傍にいる…”その存在”を知っているから)
(だから、泣かないんです)
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