しくしく…と泣きながら私は先程の居間に唯と共に戻ってきた。その様子にその場に居た男性陣は「ご苦労様」と「似合ってるよ」と言いながら労わってくれた。
唯は意外と怪力で、着ていたシャツをべりべり剥がすわ、ズボンを脱がせるわ…。
私の下着を見た瞬間、眉間に皺を寄せて「なんで、スポーツブラ…なの……」と言ってから箪笥から未使用の下着を取り出して私に渡す。
その下着はとても、可愛らしいものだった。ベビーピンクに黒いドットと黒いレースとが着いた下着は本当に可愛らしい!
唯がこういう可愛らしい下着を見につけていると思うと…うん、凄い可愛いし…愛しく思えるよ!!だけど、自分が着けるとなると…ね!!
自分には似合わないから返そうと思ったのだが…その時の唯の顔が無表情で凄く怖かったので…おずおずと…「お、お借りします……」と言って着けた。
サイズは丁度よくて、先程の下着よりしっくりと来た。そして、本命のセーラー服なのだが……。
唯「どれが良い?」
ミルキ「どれ以前になんでこんなに持ってるの!!?」
唯「仕事用と普段用が混じってるから」
ミルキ「……じゃ、聞くけど……
なんでハ●ヒの制服とか、らき●たの制服があるわけ!!?!?」
唯「適当に集めてたら……混じっちゃった」
ミルキ「適当すぎるだろ!!!!」
そして、唯と制服と…私自身の羞恥との対決の結果。唯と同じセーラー服を着ることになった。唯は黒いタイツを履いているが私はニーソを履くことになる……。
てか…なんでこんなにスカートが短いのさ!!!(管理人の趣味です
ミルキ「うぅぅ……唯が男前過ぎて、もうお嫁にいけない……!」
彼方「だったら、唯の嫁になればどうかな?」
唯「歓迎するよ……?」
雪那「歓迎するな馬鹿!!!」
遊「………姉ちゃん馬鹿の癖に」
雪那「あ”ぁ”!?」
彼方「はいはい、喧嘩しないの」
あぁ…この人たちは凄いな。ちゃんと、家族なんだと…ふ…と思った。そう言えば一華さんの姿が見えないな…。何処へ行ったのだろう?
離れの一室には一華はいた、片手に電話を持ちながら電話に向かって話す。
一華「まだ、引き摺ってるけど……最初見たときよりかはマシになっちゃんじゃないのかな」
アメ『そうか…。』
一華「でも、意外だね…アメが僕にあの子預けるなんて」
アメ『……ミルキちゃんの元気の無い姿は痛々しくてな…俺がどうこう言うより、アンタに預けたほうがあの子の傷は癒えるだろうって判断しただけだ』
一華「…それだけ信頼されてるって思ってもいいのかな?」
アメ『好きにとれば良いだろ』
一華「そうだな」
アメ『……なぁ…、』
一華「何?」
アメ『アンタが俺たち成り代わった人間に関わるのって…、どうしてだ?』
電話の向こうの声が少しだけ低くなった。このときアメは何かを求めているサインだ。答えが欲しい、明確で単純で…だけども正確な答えを欲しがっている。
僕は…そうだね…と言ってから、一呼吸置いて…。
それはね、…
どうして?それはね、この世界にきみがいるから。
(俺はこの世界の人間じゃないからね)
(この世界がどうなろうと構わないけど)
(お節介なお兄さんとして、幸せになって欲しいって……)
(願ってるんだよ)
title:確かに恋だった
⇒あとがき
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