とてつもなく、脈絡の無い展開なので誤りたいのだが……どうやら誘拐されてしまったらしい。
しかも、誘拐犯は………多分、いや絶対にあの人だと断言できる。その証拠に「ミルキちゃん何か欲しいものある?」と、気軽に聞いてくるのだからだ。

そして、今現在ジャポンにある青と白のコンビニに来てます。一体何故だろうか?と疑問が浮かぶ前にさっさと帰りたいって言うのが本音だ。

だって、思った以上に寒いし…!外は雪思いっきり吹雪いているし!!寒いし!!


しかし、そんな誘拐犯の彼は私の心情など知らずお菓子売り場のチョコレートの棚でうねりながら悩んでいるようです。くっそ!暢気だな!!





ミルキ「一華さん」

一華「なに?」

ミルキ「どうしてこうなったんでしょうか」

一華「どうしてって……遊と唯にス●イプで、”あぁ、良いな。私もジャポン行きたいな”って…言ったんでしょ」

ミルキ「じゃ、”攫いにいくから、待っててね”なんて返事を寄越して一瞬耳を疑ったけど…こっからジャポンまで距離あるし冗談だったのかなって淡い期待をしてたんだけど…本気でどう言う事か説明してください!!

コンビニ行くから待っててね!って言う次元じゃないんですけど!!」

一華「念能力者に常識を求めちゃいけないよ、ミルキちゃん」



確かにそうだ!と言えば一華さんはあはは…と笑いながら、棚からチョコレートを二つとデザートの棚に移動しヨーグルトを一つとプリン二つを籠に入れてレジに向かった。

この人は甘党なのか?と…言う視線を向ければ「そうだよ。だけど、こんなにも食べないけどね」だ…そうだ。

コンビニを出る前に私には是非聞かないといけないことがあった。







ミルキ「………一体何処へ向かってるんですか」

一華「言ってなかった?」

ミルキ「言ってねぇよ。」

一華「僕の家だよ」







Σ(゚д゚;)なんだ、と!?






ミルキ「もう一度言ってもらっても良いですか?」

一華「僕の家」

ミルキ「もう一回」

一華「僕の家」

ミルキ「出来れば、m「俺の家だつってんだろ。さっさと来やがれ」……!!??!?」





一華さんがアメさん化した、だと!?え…てか、一人称さえ変ってましたよね?!!?しかも、いつものお花の咲くようなのほほんとした空気が一瞬冷たいものに変ったよ…。

それにしても、アメさんに黙ってて出来たけど…大丈夫だったのだろうか。「大丈夫だよ。アメには事後報告で済ませるから」わぁ…一華さん凄い良い笑顔。

文の最後に(笑)の文字が私にははっきり見えたよ。






一華「じゃ、行こうか」

ミルキ「何で…!?」

一華「勿論歩きで」

ミルキ「…因みに、どのくらい掛かります?」

一華「徒歩1時間半で走ったら1時間前後で着くよ」

ミルキ「凍死させる気!!?」

一華「こんな寒さで凍るわけないじゃん」





いやいや!!一華さん貴方は真っ黒けな全身黒で完全防備だけど、私の格好は何故かセーラー服と渡されたポンチョだけだけだよ!

しかも、結構可愛らしいクリーム色のポンチョだ!……チクショー可愛いな!!センスが良いのが憎らしい!!

一華さんは似合ってるよと言いながら頭をぎしゃりと撫でた。私は渋りながらもコンビニを出て一華さんの後を追いかける。

しかし、何故セーラー服なのだろうと一華さんのチョイスを疑ったが………まぁ仕方が無い。

コンビニの狭い路地に入ると…さくっさくっ…と雪を踏む音だけが響いた。数分の歩けば…人通りはほぼ無い道に出た。

見渡すがきりの銀世界が広がり、風も強い視界は最悪で…10m先も見えないくらいの悪天候。目を瞑ってしまえば一華さんを見失ってしまう。

その時、彼の声はこの銀世界に浸透するようにすんなりと聞き取れた。







一華「まぁ、大丈夫だよ」

ミルキ「…………?」








そっと振り返り再びにこり…と笑った一華さん。この言葉を理解する前に「ミルキちゃんに良い物上げる」と言って…私に先程コンビニで買ったであろうホットドリンクを手渡す。

視線を下げて、商品を見れば…やはりココアだった。しかも最近話題の白いココア。取り合えずお礼を言おうと視線を上げれば……………。













一華「いらっしゃいミルキちゃん、”僕達の家”に」




最悪だった視界はクリアに広がり、先程まで吹雪いていた風は皆無。銀世界は今もなお、地面を白く染め上げ……そして、私の視界の先には大きな日本家屋があった。

そこに招くように門を開ける一華さん。私は状況を把握できなかった。








prev next


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -