その時、ソフィアは思い出したかのように「そう言えば、…」と持ち出した。
「ヒカリ…貴女随分身長が伸びたようですが?」
「うーん?そうかな?でも、まだソフィアには越せないのが悔しいかな!」
「フフ…その内、私も抜かされちゃいますね」
「ソフィアを見下ろす私か、………ん?ソフィア」
「はい?」
「ソフィアって全盲なんだよね?」
「はい」
ソフィアは私を見て、身長の差を見比べることなど出来ない。
どうして…?と、問う前に……
「見えてるよね?」
「見えてませんよ」
「嘘だ!!」
「嘘じゃ有りませんよ」
「じゃ、なんで身長差が分かったの!!?」
「じゃ、なんで上下ぴよちゃん柄の下着を着けているの?」
「なんで、知ってっっ…!!!??!!?」
「え、冗談だったのだけど…」
「ソフィアの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ソフィアの馬鹿!!なんで分かったの!?今日つけてる下着が私のお気に入りのぴよちゃん柄だって!!?
中央に黄色いリボンがついた下着で、所々にぴよちゃんが行き来してるぴよちゃん…ぴよちゃん可愛い、うん…可愛い。
「怒らないでくださいよ」…と、言われても怒らずにはいられない。自分の今日の下着の柄を中てられるなんて…羞恥でどうにかなってしまいそうだった。
それに、きっとソフィアは子供っぽい…と思っただろう。きっとソフィアは大人の女性だから…
黒い紐の下着とかスケスケのヤツとか着けてるんでしょうね!!←
あ…でも、ソフィアのことだからきっと似合うんだろうなぁ……。
「ヒカリ」
「ん…?」
「怒りました?」
「逆に落ち込んだ……」
「?……、そう」
沈黙が生まれた。雪が屋敷までの道のりは歩くと結構掛かる、いつもなら走って帰るのだが今日はソフィアが隣に居るから…そうはしない。
ソフィアは私にとって大切な人。…一族以外で始めて、この手に触れて、その手で頭を撫でて、純粋で優しい笑みで笑いかけてくれた人。
でも…やはり、どれだけ考えても…ハヤトやトウキ、兄さんに対する感情とは結びつかない。
ソフィアに対する感情は…、何……?
prev next