雪の降る任務の帰り道、ハヤトと鳴雛の家屋の前で別れ…任務の事を思い出していた。
今日はDランク任務で雪かきをした。雪かきと言っても術は使えない地味な作業だ。スコップで掬っては捨て掬っては捨ての繰り返し……。
終いにはハヤトが「雪なんて解かしてしまえば同じだろ!!」なんて言って豪火球の術で雪を…と言うか…
依頼主の家自体を燃やそうとしていたので、全力で止めた←カカシが
まぁ…そんなこんなで依頼は終了し現在帰宅中の帰り道、彼女は鳴雛の家屋の向こう。屋敷に向かう道を悠然と歩いていた所に遭遇した。
真っ白な羽織と真っ黒な着物、青い蝶と白い桜の描かれた着物。
そして、なにより…目にしたことのない、青い椿の番傘。彼女は私の存在に気付き…ゆっくりと振り向く。
雪をも解かしそうな、温かい日溜まりの笑みで…笑いかけてくる。すぐさま彼女との距離を縮めれば「お久しぶりですね、ヒカリ」と…。
その途端、心拍数が上った気がした。
青い椿が描かれた番傘を少しだけ掲げ私と雪を遮るように差す。ほんの少しの気遣いとこの距離が凄く心地良い…。……温かいな。
それから私は他愛のない世間話を始め、任務のこと、親友のこと、里のこと、…色々な話をした。
「ねぇ、ソフィア」
「どうしました?」
「手を繋いでも良いかしら…?」
私の突然の提案に、多少驚きながらもソフィアは「どうぞ」と白い手袋をした左手を出しだした。
そのことが嬉しくて、思いっきり左腕ごとソフィアに抱きつく。フフ…と笑みが零れた。
ソフィアは、私達兄弟の協力者だ。いや、…鳴雛一族の協力者とも言える。
己鬼死病の解明、治療の協力をしてくれている。
里は私達の為だけに人員は避けない…大名達も、きっとそうだ。
いや、大名達はこの力だけが目的だから手すら貸さないだろう。全く持って嫌気がさす…。
そんな時、現れたのがソフィアだった。ある人物からの命令で協力することになった、と言って兄さんと私の前に現れた。
ソフィアの持ってくる資料は、兄さんでも入手できない資料が多数存在した。それに、こんなもの持ち出せば国際問題になる物まで。
一体何者なの?と聞けば「さぁ…?何者なんでしょうね」とはぐらかされる。
ソフィアらしいと思ったけど。
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