「俺お茶淹れてくるわ」そういって、春さんはこの場から逃げた。春さんお願いだから俺置いて行かないで、そして俺も連れてってぇええええええええええええええええええっっっっっ!!!!!普通なら美女とイケメン(残念な)に囲まれて嬉しい状況だろうが俺には全くと言って良いほど嬉しくない。美女怖い、女の人怖い、でも…俺診てくれたし、良い人なんだろうけど、やっぱ女の人怖い。しかも、後ろに居るセコハラしてくる男は鋏男で凄い怖い(本人は無自覚+好奇心)。逆らったら鋏でちょん切られるかもしれないから超怖い。動けない。唯一の味方であった春さんも逃走して……つまり、悪循環。俺終了のお知らせ。

こんなことを思っている最中もこの二人は俺のことを弄り倒していた。ソフィアさんは興味深そうに俺の髪を触っている。メッシュ、というモノが余程珍しいのだろう。……でもね、うん……お願いだから…!距離近いから!!も、もう少し…距離をっ!!そして、一華さんは一通り触り終えた後、ふむ…と頷き自分の中で何かを完結させた。

次の瞬間、この人の口から発せられた言葉に俺は本気でこの人を殴りたくなった。






「んー、結構男受けしそうな顔立ちだな」

「はぁっ!?」

「ねぇ、今度雪君が通う学校のイベントでモデル探してるんだ。それやってみない?」

「なら、着物なんてどうかしら?今年のイメージは『和』だった筈ですし、斗真はきっと似合うと思うわ」

「えー?無難すぎない??」

「だからこそ、こんな大男の着物姿なんて予想できるとおもいますか?」

「なるほど、ギャップ萌えか」

「そう言うことです。」




二人は顔を見合わせ、よくやったと言わんばかりの表情で、親指を立てた。ねぇ、あんた達って仲悪いの?良いの??どっちなの、そして…その前に俺は一つツッコまないといけないことがある。





「ちょっと待てよ!!なんで、俺がナチュラルに参加することになってんの!?!?

しかも、女装ってどういうことだよ……!!!」


「無言は肯定でしょ?jkだよ、jk。常識的に考えてだよ。斗真君」





よし、この人殴ろう。

にこっ、と笑う一華さんに対して俺は今すぐこの人を殴ろうと思った。






「あ、でも…花魁でも良いけど、巫女服でも良いな。コスプレっぽい奴」

「……私はあぁ、言うの…好きになれないですね」

「流石、本職は言うね…。そう言うの考えるとコスプレの巫女服って遊びだもん、仕方ないよ。てか、僕はソフィアに着て欲しいな。そして脱がせt「それ以上先を言えば、貴方の全身の皮を時間を掛けて一枚一枚、丁寧に剥いでいきますよ」……ごめんなさい、なんでもないです」

「宜しい」





ソフィアさんは一華さんに対して、何かを耳打ちした途端…一華さんは思いっきり落ち込んだ。しかし、ソフィアさんはとても涼しい顔をしているし…一体何を言ったのだろうか?疑問は残るが自分への興味が多少外れたことに安堵の息を吐く、……が……「なら、斗真君…採寸だけ済ませておこうか」どうやら、外れてはいないらしい。脱線したかと思ったら…普通に本線に戻された。

しかも、なんかじりじり…距離を詰められてるし……。何処から出したか、その手に持たれたメジャーが本来の用途を忘れ、一種の凶器にも見えたのは気のせいだろうか?






「さて、どっから測ろうか…。胸?腰?尻?一番嫌な場所から測ってあげる!」

「しかも鬼畜だった!!なんで、一番嫌な場所から選ばせるんだよ!!?」

「え?一番最初に嫌な場所終わらせておけば後、楽でしょ?」

「って、いつの間に背中乗って……!?ぎゃぁぁあああ、なんで上からぁあぁああああああああああ!?!?!?」





俺は背中に乗って居る一華さんをお構いなしに落とした。

しかし、この後……俺は予想しない程の今日最大の悲劇に見舞われることになった。















prev next


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -