はい、視点は代わりましてミルキです。隣で眠る、唯の寝顔は天使です。癒しです、可愛いです。しかも、ちゃっかり抱き締められてます。

あははっ…春さんに明日の朝殺されるな、なんて思いながら…さっきまでのことを振り返ろうと思います。実は今日は、アメさんに内緒でここにお泊りに来たわけで…。

さっき、携帯を開いたら…気持ち悪いくらい着信が入ってて…正直引いた。普通に三桁越え(笑)

多分螺鬼さんの所にも私の半数以上の着信が入っているだろう、全部着拒否にしてたみたいだけどね!流石、螺鬼さん!!

そんな螺鬼さんが…どうして、あんな残念な結果になっているかと言うとね………唯がさっきまで見てたホラー映画が怖すぎて螺鬼さんに抱きついたわけで…。

それがもう…可愛いんだよ!「きゃっ…!」って言って震えながらも、画面を必死に見る姿とかもう、鼻から赤い物が出ても仕方ないと思った。春さんが惚れるのも頷ける。

けどね、悲劇はそれから起こったのよ……。唯は恐怖のあまり、螺鬼さんに抱き付いた、抱き付いたけど……その抱き付く腕の力が半端じゃなくってね……。

螺鬼さんが白目向いて泡を吹くくらいの腕力で締め上げるだよ!!ちなみに、それを止めてもらおうと遊に目を向けた瞬間、遊は私の腕にしがみ付き…

「ふぉぇ…?」と涙目でこちらを見つめてきたのだ。いや、もう…映画の内容なんて忘れて…鼻から赤いのが流れた。




そんなこんなで、春さんの部屋へ助けを求めに向かったのだ。そして、最終的には春さんの部屋で皆で寝る事になった。

ベットは春さんの気遣いにより、私と唯の二人に譲られ…三人はベットの下に敷布団を敷いて寝る事となった。下で雑魚寝する男性陣に目を向けると…個性が出るのが分かる。

遊はこっぽりと布団被って寝てるし、螺鬼さんは相変わらず気を失っている。春さんは………











「眠れないのか?」




と、私の視線に気付いた春さんは…。

瞼で閉じられていた藍色の目を開いて、問いかけてきた。

私は頷いた。掛け布団とシーツの布擦れの音を部屋に響かせながら春さんの方へ身体を向けると、春さんもこちらへ身体を向ける。

そして、ゆっくりと微笑んでから、…小さな声で内緒話をするように話しかけた。







「あのね、春さん……――−−       」












私は少しだけ、胸の中の想いを。今まで溜めてきた物を少しずつ、少しずつだけど…吐き出した。

沢山溜め込んできたモノは、拙い言葉で…、上手く伝える自信なんて…。けれども、それでも…春さんは私の話を何度も頷いて聞いてくれた。

















(春さんって…凄い良い人だよね。顔怖いけど)
(一言余計だ、ドアホ)
(でも、もしも…アメさんと出会う前に春さんと出会ってたら好きになってたかも…)
(お前のそれは恋愛感情じゃなくって…ただの、兄に感じる憧れとかそんなもんだ)
(春さん…兄弟は?)
(いないが、従兄弟に兄のような男が居る。)
(好き?)
(大嫌いだ)

title:hmr

⇒ あとがき





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