午前1時半を過ぎた頃、俺は掛けていた眼鏡を取り両指で目の横の鼻の骨を刺激する。流石に、こんな時間まで本と睨めっこするのはきついな。

そんなことを思いながら、座っていた回転式の椅子から立ち上がり身体をぐぅぅ…っと伸ばす。バキバキッ…と背骨が鳴り、長時間座っていた事を物語る。

今現在1時半過ぎで、俺が作業を始めたのが…10時頃だろうから…約3時間近く作業に熱中してた事になる。ちなみに…唯と遊、ミルキと螺鬼さんは居間にてホラー映画の鑑賞をしている筈だ。

俺も誘われたが、途中退場した。別に怖いとかではない。ただ、知り合いにそっち専門の奴がいるからな。作り物では満足できないのだ。






「はぁ…寝るか」




ベットに潜り込み、瞼を閉じた。さて、朝食は何を作ろうか…と思いながら眠りに着く。あ…そう言えば、ミルキの奴ちゃんと遊と螺鬼さんとは別に寝てるのか?

いや、絶対遊と唯が引っ付いて寝てるだろう。多分、螺鬼さんは傍観決め込んでる。はぁ…やべぇ、心配で寝れなくなってきた。

ミルキは一応人妻の自覚無いからな……。別にあいつら、一緒に寝かせて問題が起きるとは思えないが、それでも…あぁぁぁああああ!!くそっ…眠れねぇ!!






その時、廊下からずるずる…と言う音がした。

何かを引き摺るような音。その音は、こちらへ近付いてくる。少しずつ、少しずつだけど…確実に、こちらへ…。







来る。



がらっ。





「何やってんだ…、お前ら」





俺はなんの躊躇いも無く、扉を開けた。家には悪戯っこ共が数人ほどいるからな。ちゃんと確認して、その音の正体を見つけないと気がすまないのだ。

そして、扉を開けた先には案の定…悪戯っ子+ミルキの三人が居た。いや、正確に言えば螺鬼さんを入れて4人だが……。




「唯…一つ聞いていいか。…いや、一つじゃない。二つだ」

「何…?」






俺は一息ついてから叫んだ。







「そのお前の右手に引っ掴まれて引き摺られてるお方は、どうしてそうなった!?」

「……知らない、っ…!」

「いやいや、知らないじゃないだろ!?白目向いて口から泡吹いてるんだぞ!?!
そして、いい加減離してやれ!!螺鬼さんの毛根が死滅するから!!」


「春さん!唯をあまり攻めないで!!」

「そうだよぉ…姉ちゃんを攻めるなぁ…」






「唯と遊…、怖いなら怖いで見るなよ!」

「「ミルキちゃんの怖がる所が見たかっただけだもん……」」

「で、返り討ちにあったわけか」

「ホラーとかグロいのとか大丈夫な方なんで」

「はぁ…。うん、分かった。分かったよ……。じゃ、もう一つ聞くが……









なんでお前らは一人ずつYes,No枕を持ってるんだ!?しかも、なんで全員Yesなわけ!!?!」

「「一ちゃん/一兄ちゃんの部屋から持ってきた」」

「あの野郎!!まだ、持ってやがったのかあぁぁぁああっっ!!!!!!!」

「え…!?これ一華さんの持ち物だったの!?!?!」










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