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─サッカー棟

『って言う訳で雷門サッカー部の皆さぁぁぁん!
メリークリスマースッ!!!
クリスマスプレゼントを無差別にプレゼントです!』
「なんの訳だよ!?そしていきなり無差別ってなんなんだよ!」
『無差別は無差別よ、はいバ狩屋プレゼント』
「バ付けるなって!!まープレゼントは貰うけどさ…
…な、何これ」
『プロモーショングッズのペッタン人形』
「ぺ、ぺったん?で、なんのプロモーション…」
『うあああああああ!そ、それはぁぁぁぁ!』
「速水センパイ!?」

速水が血相を変え、狩屋に一気に詰め寄る。
いつもの速水とは違う姿に狩屋はかなり引いたが、死に設定とは言え俊足を持つ速水から逃げても追い付かれそうなので内心諦めた。

「そ、それ“Road of the Lord”のシングルのプロモーショングッズじゃないですかぁぁぁぁ!!
ほら、人形にバンド名とシングルの題名が…ほら、“しなだれBabes”って」
「え、ロードオブロードのか!?」
「っちゅーかしなだれってw凄い曲w」
「えーっと確か…♪〜♪〜(鼻歌)って感じの曲…」
「え、あれCMソングだったじゃん、そんな題名なのww」

「へぇ〜…じゃあこのペッタン人形でもオークションに転売したら結構な値付きそ…
うわ!そんな睨むなよお前!」
『良い値が付くからって理由で転売とか卑しいわねあんた…!』

「あ、実千代ちゃん可愛い♪」パシャパシャ
「クリスマスプレゼントか、私達の分もあるのか?」
『ありますよホラ!』
「わぁ、ありがとう実千代!
…あ、これはジャム?」
『あ、あたし特製のマーマレードだ』
「実千代ちゃん特製なんだ…」
『…もしかして、Road of the Lordグッズじゃなくて残念だった?』
「全然そんなことない!ありがとう!」
「お前本当に料理出来んのかよ?…円堂監督の奥さんみたいに料理の見た目だけ良いとか、っていてぇぇぇぇ!」
『あんた黙っててよ!』
「実千代は料理得意なんだよ狩屋!こう見えても」
『こう見えてもって何なの天馬!?』

「あ、俺クッキーだド」
「実千代、これも手作りなのか?」
『はい!』
「ありがたく頂くド!」

「は…?“KINGDOM OF SOAP”…?」
『あ、これ“KINGDOM OF SOUL”ってアルバムのプロモーショングッズの石鹸で…』
「駄洒落か!」
『ちょ、キングダムオブソープってwwwソープランドみtぎゃああああ捩るなぁぁぁ!』
「捩る!?」
『何よ何よ狩屋あんた!円堂監督や鬼道監督や基山さんがそーゆー所行ってるからって…!』
「ぷぎゃああああ!」
「かっ、狩屋くん!」
『あ、輝くんプレゼント』
「えっ、あっありがとうっ」
『あそーだつる!』
「ぎを付けろぎをっ!」
『はいこれあんたの分と優一お兄さんの分』
「…俺のは兎も角、兄さんへのは変なもん入ってないだろうな…?」
『大丈夫よー、その箱のはソーイングセットだから』
「そ、ソーイングセット…」

『じゃああたし他の人達にも配って来ますねー!皆さん良いクリスマスをー!』
「実千代ちゃーん!なんで俺のプレゼントはRoad of the Lordのグッズですらない所かただのマッチなんですかあああ!」

速水の悲痛な叫びを余所に、狩屋は度重なる実千代からの暴行に再起不能となっていた。


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