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「貴女に結婚相手を決めてもらうわ」
『…は?』

瞳子監督が突然妙な事を言いだした。

天空の旦那様

『…いや、結婚相手を決めるって…いきなり…』
「勿論、今からすぐにとは言わないわ。
今日一日時間をあげるから」
『今日一日…

明日決めろと!?』
「早い方がいいでしょう」
『早すぎますよ!?
明日決めるのも勿論ですが、私はまだ中学生…
そもそも法律的に結婚も出来ない筈で』
「早いうちに結婚相手を決めたからって、すぐ結婚する訳ではないわ。
4年後、相手が18歳迎えたらすぐにでも式を挙げましょう」
『4年後?18歳?』
女の結婚可能年齢は16歳から。私の場合2年後に結婚できる。
でも相手の為に4年待てって事は…
同じ中二…か?

「そうだ、候補を言ってなかったわね」
『候補っ!?』
好きに選ばしてくれないのか!
…いや、そもそも私と結婚したいなんて奴いる訳ないか。
私が結婚したい、と言った所で相手がなんとも思ってないなら困らせるだけだしな。
贅沢言っちゃいかん
私の独断で選んだのだけれど」
『…』
独断ですと?
瞳子監督ちゃんと相手の了承取ってるよな?
取ってないなら悪いが結婚したくない、だってさっきの3行目の通りじゃないか。
瞳子監督が無理言って嫌々了承取らせたんなら尚更。

「じゃあ入って。

風丸君、ヒロト。」

え…

「あの…咲良…
俺、そんなに本当はこれで良いのか分からないけどその…」
もじもじ顔真っ赤にして言ってる事が支離滅裂な我が幼馴染のイチロー。

「咲良ちゃん。君の選択に文句は一切言わないつもりだ。
…でも、この世の男の中で最も咲良ちゃんを幸せに出来るのはこの俺だと思ってる!」
無駄に真剣な顔でほざきやがる。そして最後に微笑。
それで私が落ちると思ってるのか。
あ、そういやこいつ吉良財閥の御曹司か。会長逮捕されたのに存続できてんだな。

「な、あの…なぁ、咲良!」
「咲良ちゃん、咲良ちゃん!」

「二人とも、決めるのは明日よ抑えなさい。」

ずずいっ、と迫ってくる二人を制する瞳子監督。
「おっといけない先走っちゃったね、…明日は負けないよ、風丸君」
「…俺だって…!」

二人の間に散る火花。

全く、一体何が何なんだ。


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