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『あのさ、君達どうやってうちん家入ったのさ。』

「俺が開けましたっ!」
『やっぱりねぇぇぇぇ!うちん家の合鍵持ってんの守君とこぐらいだもんねぇぇぇぇぇ!!』

『っていうかお前達何やってんだ』
「見れば分かるだろう、クリスマスパーティだ」
『そりゃな。で、何故ピンポイントに私達の家なんだ。
…しかもわざわざ守に鍵開けてもらってさ!』

「では私から逆に聞くぞ。何故この家には負けハードばっかりなんだ。」
『うるさいなっ!私達の嗜好に文句付けるなよかぜすけ!』
「ふうすけだ!何度言えば分かる!」


『で、咲良が言ってたけどなんで俺様達の家でやってるのさ、クリパ。』

植之助の言葉に全員が静まる。

「俺に話させてくれませんか。」
『…良いよ、鬼道君。比較的まあ俺様と咲良が納得できるような理由で頼む』

「…咲良が言っていたんです。
クリスマスは仕事ばかりで、クリスマスの余韻に浸る暇もなく新年に向かうと。
忙しいだけのクリスマスなんて爆発してしまえ、とまで言ってました。」
「それに、俺達家族ぐるみの付き合いしてるのに…
こういうイベントにおじさんも咲良も出た事がない、から。
だから、俺達一度でも良いから咲良とおじさんに皆とクリスマスを楽しく過ごしてもらいたかったんですっ!」

『…で、有志集めて我が家でクリパ開催、と。』
「「…はい。」」
「彼らの行動力は凄いですね…韓国にいる私まで呼びますし。結局来ちゃいましたが」
『ちょっと待て!チャンスウお前までいるのか!?』
「正直海外で来れるのは私ぐらいだと言われたので自家用ジェットで緊急来日しました。」
『金持ちめ』
「…一番の理由は、聖夜を貴方と過ごしたいと思ったので」
『…な、チャンスウ…』
「ちょ、抜け駆けは許さないよチャンスウ!!」
「咲良!いくらなんでもチャンスウにときめくのはよせ!」
『お前らチャンスウに失礼だろ、後ときめくのは私の勝手だ』
「と、ときめいた事認めたッス!!」

『…君達さ、今の時間大分遅いよ?お日さま園ちょっと遠いし、塔子ちゃんなんて大丈夫なのかってレベル』
「あ、俺ん家で泊めてくから問題ありません!!」
『いやいやあるでしょ!温子ちゃ、君のママにもメーワクじゃんよ!』
「植之助さん、円堂君が言うなら大丈夫です。
これは理事長の言葉だと思って頂いて構いません」
『いやいやいやいや!?夏未ちゃんまでいるのっ!?
ちょッ待てよ総一郎心配してない!?』
「ホテル一応予約してあります」
『チャンスウ君、君はね!?でも君もお父さん心配してるでしょ!
いきなり大事な一人息子がお隣の国行っちゃってさ!



…はぁ、でもさ。君達わざわざ本来過ごすべき人たちじゃなくて、俺様達選んでくれた訳でしょ?

正直、…嬉しくない訳じゃない。』

植之助の言葉に、円堂達は色めき立つ。

「っ!!じゃ、じゃあ…!」
『次からは、ちゃんと俺様達の許可取ってよねー?

まあ、折角来てくれんだし…やっちゃおうか』

「「「「おおおおおおおおっ!!」」」」



『あ、でも近所迷惑になるから静かにね』
『おじさん、もう遅い』

全員が騒がしく好き勝手やり始めた。

「壁山っ!それ俺のから揚げだ食うなっ!」
「しかしこの家、ツリーすらないってビックリだったな」
「結局俺の家から持って来てしまった、小さいのだが」
「小さい?あれがお前の小さいか鬼道!」「あっこれ美味しいっス!」
「王様ゲームやろうよ♪咲良ちゃんも入って入ってー!」
「ヒロト!お前やましい事考えてないだろうな!?」
「うおー!咲良ー!円堂ー!」

「おい、咲良」
『…なんだよ』
「なんでプレステやWii等は置かない。」
『なんとなく』
「なんとなくとはなんだ」
『Wiiは風丸の家にあるからいらん』
「人の家でやるのか?」
『良いじゃんよ。友達の家でやる方が任●堂としても本来の目的通りなんだし』
「いい加減自分用の買ってくれよ…」
『良いじゃないか!私が買ったWiiソフト皆お前のものじゃないか!』
「結局俺の家から持ってきたよ…Wii」
『おおっWiiじゃないかっ!』


『あはは…こんな騒がしいクリスマス…。
明日絶対苦情来るー、色んな方面からー…

ま、いっか』


初めて過ごすクリスマスは、騒がしくも“幸せ”だった。







やっと形に出来ました…
2011/12/25(SUN)


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