※微裏注意


「唇が濡れていると欲情を覚えるのは、濡れた女性器に似ているからだとか」
『おお、お前のっけから読む人選ぶような発言だな』

いつもの分からない表情で、淡々と言い放つ目の前の男。

私はよく分からないとよく言われるが、この男もなかなかよく分からないと思う。

何しろ常に目を閉じているのだ。
試合のみならず、日常ですらだ。
それでよく生活出来るな。
電柱や壁にぶつからないか心配になる。
最早慣れてしまい、大体こいつの感情を察せる様になってる私も私だが。

で、冒頭の話題に戻すが。

『とりあえずチャンスウ、いきなりなんなんだ』
「いえ、貴女の唇が今日はいつになく艶やかなものでつい」

…それはイコール貴女の唇見てたら欲情しましたってか。

『試供品もらったからつけてみたんだよ』
「そうですか…」

…ああ、もの欲しそうな顔してるな。

端から見れば全く変わってないように見えるかも知れないが、よく見れば違う。よく見れば。

よく分からない男ながら、私は大体こいつの感情が察せるようになってしまった。
慣れとは不思議だ

「咲良」
『なんだ』
「しませんか…キス」
『…構わんさ』

そう言えば、チャンスウとキス済みの関係だと周囲に言ったら阿鼻叫喚が響き渡ったのを覚えている。

チャンスウの何がダメだっていうんだ。

私よりも低いチャンスウの身長に合わせ屈むと、チャンスウが私の両頬に手を添える。

そして食らい付くように口づけられる。

『んっ…』

チャンスウの舌が侵入したと同時に私の舌をからめ取る。

自分以外の他人の温度に、口腔内だけでなく脳裏すら蕩けそうな熱い錯覚を覚える。


「…はぁっ…」
『んはっ…』

解放される唇。
名残惜しそうに引かれる銀色の糸。

「…甘い香りがしますね」
『だろうな』
「御馳走様です。
…と言いたい所なんですが」

こいつの物欲しそうさは消えない。
それどころか、さらに強まっている感じがする。

「咲良…すみません、火が点いてしまいました」
『火ねぇ…私もだよ』
「いたただきます」
『…せめて部屋でな』
「…お邪魔します」


KISS of ignition


achichi!」様に提出。
チャンスウで微裏とか誰☆得
勿論俺得ですがねウハハ
咲良が唇に塗ってんのはアレです、ヌ○ヌレです。
名前からしてやらしいよな!←

2012/7/9(MON)


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