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拝啓 燈月雪さま

 私の為し得なかった仕事をこうして貴女に託す形になってしまい、本当に申し訳なく思っています。
 思えば貴女と出逢った大学時代からとうとうさいごまで、普通の友人のように話すことはできませんでした。余計な事を云うようですが、私と貴女はよく似ていたのだと思います。同族嫌悪、と云えるかもしれません。私は兼ねてからそんな風に、私たちのことを思っていました。貴女は、…やっぱり否定するのかしら。
 私が出した答えがこれです。言い訳のようですが、それでも最良の選択だと思っています。それについて、私の我が儘をこんな風に、有無も云わせず貴女に押し付けることを、本当に悪く思っています。ごめんなさい。お詫びの仕様もありません。
 どうか、それでもどうかよろしくお願いします。希望の光がわずかでものぞいてくれることを、願っています。
 草草不一。              
                          海原陽
                                                 
                                            

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