silene

耳を塞いで初めて聞こえる音がある
目を閉じて初めて見える世界がある
終わりを迎えて初めて広がる景色がある
終わりに来て初めて始まるものがある

死を迎えよう いま、
友として握手を交わそう
恐れることはない、なぜなら
ずっと昔から死は私たちを知っている

生と死は等価値と君は言ったね
知っているよ、君の頬に涙がつたったこと
流れ落ちたその音を僕は確かに聞いたんだ
また昔みたいに戻れたらよかった
けれど、僕も君も知っている
人は、生き物は、ありとあらゆるすべてのものは
進まなければならないということ
あなたが悪いわけではない
ただそうであったというだけのこと、
すべては
そう、すべてに終わりがあり、始まりがある。
君は誰よりもそのことを知っていただろう?


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