Dream Tanka


夢短歌。多いのは横にスクロールします。
約三十一文字で夢活動をしているだけです。

寿司屋夢都都逸/煉獄杏寿郎








死地に赴く愛しい人の手を握れずに寿司握る



【追記】

画面の向こうの元同級生/木兎




私ばかりあなたの近況(いま)を知っているいただきもののレモンのいびつ
誰だってスターは好きさ Bokuto is my favorite athlete.だよ
宗教を生むのは神でなく信者 光の速さはいつでも不変
時として心も日射病になるレモン・スライス薔薇窓に代え
エアコンと云う麻酔薬無機質に忘れさせてほしい熱がある
「太陽は何かを照らすためじゃなくただ身勝手に輝くだけ」と
さよならを言えなくたってさよならはできる向日葵立ち枯れる路
友人としてのあなたの呼び方を午睡の夢の中で失くした
カルピスはそっと薄めろ改宗は失恋よりも繊細なので
見よ世界、彼が私の同級生だった(だろうか?)ただのスターだ




第一回夢歌会提出/赤葦








読み終えた本の一節送り合うメール履歴にひと夏の書架




アレルヤ/及川


コサージュは枯れ得ず胸に卒業の日のまだ日本国籍のきみ
制すべき世界はわれを締め出した九カケル十八メートルの
きみが夜に浸されている午前八時はだしで地球の直径を踏む
似合うよと言われたかったスカートも棄てろ欠いても生きられるなら
酸性の羊水都市に降り注ぐ初恋堕胎告知に代えて
雨が(ただ砕け散るだけとも知らず地に楽園を信じて)やまない
光源を求めて空に手を伸ばす青葉そのいたましき鮮緑
青嵐生む白鷲を殺せないままことごとく葉は散らされて
欲しいものなんにもなくて百貨店さまようセンスも才能もない
誼みなきエンゲージ・ダイヤにも問う磨くとすり減らすの違いとは
聖句「きみは天才じゃない」いつの日か言うはずだったおかえりに寄す
ひなげしの蕾束ねてひらくまで色のわからぬ未来を買ひぬ
二十時の闇をまさぐるあなうらに午前八時の朝日の熱を
地球儀をせめて廻そう祖国から見て反対が照らされるよう
南米の陽と引き換えに仙台がずっと夜でもいいよ、アレルヤ




昼の月/幸郎





昼月の不動はなにも照らさない身軽さゆえに空澄み渡り

神さまはいなかったよと口許をゆるめて君は自由が似合う

幸か不幸か別に死なない夜空にもかけがえの無い星などなくて

ろうたけた白色をしてもう君に着られない練習着はためく




君の名の海に焦がれる/星海





星 やがて届かぬ恋が信仰の類語と成り果てるまでを燃ゆ

海のない町に生まれたきみの名の海に焦がれる春霖雨かな

光めくひとみ見ひらき空中(そら)こそが居場所と語るひとの横顔

来たるべき無神世紀の祈りにはどうか私を置き去りにして




バレーじゃなくて君を見ていた/概念




会いにゆく理由に窮しはじめての不実は「バレーボールが好きで」

はつなつの体育館よ咎めるがいい客席に持ち込む邪心

君の血の色を知らない汗の香も凱歌も遠く隔たれており

脚に腕に青薔薇片の如き痣なべて強さに代償あれと

(バレーは嫌い。)バレーをしてる君が好き。(君に好かれるバレーは嫌い。)




神様はもれなく人でなし/侑


神さまはもれなく人でなし きみは爪がきれいな神さまだった
ひとつずつ較べて最も善いものをスポーツ選手に献げるみかん
調理場に立ち入らぬきみそこに立つじぶんは己ではないからと
てのひらがなめらかなのは誰のためでもないきみのイデアのかたち
排他的負けず嫌いはふたりして双子の魂死るまでを
指先の乾燥/慣れぬ新ボール/きみの悩みになれぬ恋人
ヘタクソがきらいなくせにどうしてかみかんを放る軌道やさしく
父としてたとえばきみが子に与う春の河原のゆるやかなトス
たまさかに髪根に黒を見出して泣くのお願い金色でいて
きみを神たらしめるもの聖性とやさしさはたぶん両立しない
牙のない狼なんていないのであまく傷んだ実は捨てなくちゃ
「触れちゃだめ。習ったでしょう、ほら、“人に愛を向けてはいけません”って。」
緊急連絡先に名は借りません我が危機はきみの片割れが知る
幸福をひだまりの中に見出すなきみよ苛烈な光を生きろ
花冠などくれなくていい駆け抜けた後を舞い散る花びら浴びる
言うまでもないからこそに祈らせて 私が死ぬ日もコートに立って




少年に隕石/佐久早


人肌の温度がわからないと云うきみの黒目に神さまは棲む
頑なにホットミルクの膜裂かずいつくしみ深きつみ深ききみ
潔癖という受難 水ひとくちをころがすきみのきよらかな舌
不機嫌に掻き上ぐ癖毛かたければ完璧主義者の泣き所めく
牛乳のあまさが実は苦手でしょう生き方に甘えが足りないわ
殺人は罪、恋は罪、罪、罪と悪とは同義に非ざれば「抱け」
タンブラーグラスに飲み残されたまま初夜のひかりを生ける冷や水
月光斑 膚はつめたく焔をはらむピアノ・ソナタはきみそのものだ
ピアノ弾く為にでもなくしなやかな指は私の為のでもなく
まるいもの数えてあやせ少年に隕石、梅干、と、バレーボール。
始まりと終わりがあるということの 球体みな悉く嫉まし
きみのほかに神さまの名を知らなくてごめん今際もこの声で呼ぶ
天鵞絨に皺を残したままねむるきみの人生の汚点となるも
私を看取ってくれなくちゃ嫌 完璧主義に誂え向きの呪いだこれは
さびしさを愛と呼び換えしづかなる咎降り積もる雪の窓辺に
ひとの淹れた温いミルクに口つけてきみはきみなりに私を愛す




140字でキスシーン書くやつ(短歌じゃない)


「まだ誰も触れてないなら、する」(佐久早)
「アイツ潔癖だろ 俺がしてあげる」(古森)
「するよ、佐久早にはできない事」(古森)
「汚せば俺のになるって知ってた」(古森)
「比べていいよ 負ける気ないから」(古森)
美貌を直視できず十字架見てた(瀬見)
攻略完了、なんて思わないでね(研磨)
新作チョコの食べ方に一案(天童)
…ペットと戯れる程度のノリかと(幸郎)
吐息分の重さを預かるだけなら(星海)
クチバシだけは硬いのかわいい(ホシウミカモメ)
実は食べようとしてたのは内緒(古森のもちマス)
黙らせる、とか言いつつ優しい(沼井)
「そのずるいは褒め言葉だな」(沼井)
欲とかあるんだ なんか安心した(潜)
仄赤く色付いた耳だけが雄弁に(潜)
積年の秘め事は口移しで教えた(キャラなし)
言葉になる前の新鮮な感情を、(キャラなし)
感染ればいい、と思って触れた(キャラなし)





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