ライン


*マサ←レンなレンの独白。不幸せ注意。元拍手お礼文です。













叶わない恋をしてしまったと、始まった瞬間終わらなければならない思いだと、それは自分自身ずっと昔から痛感していた。俺は男で、あいつも同じ。俺は神宮寺、あいつは聖川。伝えちゃいけない、見せちゃいけない、叶わない、そんな恋だった。それはそれで思いを上手に留めて、思いは思いのまま、そんな上手な愛し方が出来れば良かったのかもしれない。でもそれは驚くほど上手くいかなくて、苦しくて、でも言えなくて飛び出すのは皮肉ばかり。そんな悪循環を変えられもせず、断ち切れもしない自分が歯痒かった。

お前の笑顔が好き、もう俺には見せてくれやしないが。泣きたくなるような優しい音を奏でる手が好き、華奢なのにどこか頼もしいから。たまにふわりと優しくなる声が好き、その声は俺の名前など呼ばないが。俺に向けられることがなくとも、聖川のすべてが好きだった。でも、好きだから辛くて、好きだから止められない。頼むから教えて欲しい。あの日お前が俺にくれたキスは何の意味があったんだ?幸せな気持ちになれるはずのお前とのキスはどこまでも苦くて、苦いのに愛おしくて。いつまでも舌先にこびりついている。

何もなかったと自分に言い聞かせた。たくさんの人がお前の世界を取り巻いている、そのたくさんの中の一人になろうと思った。キスをされた次の日、真剣な顔で「すまない」と頭を下げるお前を見た時、そう思った。今は出来なくても、いつか忘れなければならないのだと。大丈夫だ、わかっていたから。始まった瞬間から終わりに向かっている恋なのだと、感じていたから。後悔はしたくない、だから今だけこう思わせて欲しい。



(好きになりたくなかった、お前を愛してるから)



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愛してるから、好きになりたくなかったっていう感情は切なすぎると思います。ある曲をイメージして書いたのですが、曲名わかる方いたらあなたは私の嫁です←
20120503

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