ドリーマー


*音→翔(←レン)です。主に音也で、少し病み気味。













俺ってもしかしたら物凄く変態なのかなあ、って最近切に思う。よく言えばドリーマー、ロマンチスト。いつの間にか翔のことを目で追っていた、自分でも気付かないくらい自然に好きになっていたのだ。来栖翔という人物は、何故だか他人の目を惹く人間だと思う。懸命に何かに取り組んでいる時のふとした仕草とか、一閃煌めくブルーの瞳とか、それは毎晩夢に見るほど俺の心に強烈に焼き付いて離れないんだ。それを恋だと自覚してからはもう、階段を転げ落ちるかの如く一気に。でも告白なんてする気は全くなかったんだよ、男が男に好かれるなんて常識的に考えて気持ちの良いものではないだろうし、君の冷ややかな態度なんて知りたくはないから。だけど、それでも触れてみたい。自分のものにしてみたいという思いばかりが日々募っていくのだ。ああ、哀しきドリーマー。
俺は案外怯懦な性格だったみたいだ。夢の中でも、ただ君に触れたいと願っているだけ。どうせなら夢の中でくらい幸せになれてもいいものなのに、そんなことばかりが上手くいかないから困りものだ。朝目が覚めるといつも胸を掻き毟りたくなるほどに苦しくなる。他の何かでもいいのなら、それほど楽なことはないだろうにと重い溜め息を吐いてから俺の1日は始まるんだ。でも、この思いには痛みが伴うけれど愛がある。この愛が報われるとき、それは俺の果てない夢が終わる時。

「お、音也―、オッス!」
「え!……あ、お!おはよう!」

Sクラスの教室へ向かって駆けて行く君の後ろ姿を見送る。何だか最近やけに元気で機嫌のいいような素振りだけど、何かいいことでもあったのかな。練習が上手くいっているとか、課題で先生に褒められたとか……そう考えながら人知れず笑みを零してしまう。好きだ、やっぱり好き。見ているだけ、友達のままでいいよ。うん、それだけでいい。触れたら壊れてしまうのなら触れなくていい。

ただ、その時の俺は、今のこの状況が自分以外の人間の手によって壊されることがあるとは思っていなかった。そう、触れられるどころじゃない、俺のこの気持ちは第三者の手によって、殴りつけられでもしたかのように崩壊してしまったのだった。



「オチビちゃんてさ、すごく困らせたくなっちゃうんだよね」
「はあ?え、ちょ、レン……!」

俺が見てしまったものは、夢じゃない。悪夢として終わらせられるようなものではない。ねえ、会ったこともない神様。俺の果てない夢が終わる時は、この思いが届く時ではなかったのですか。俺が現実として確かに見たものは、俺じゃない男と君の淫猥な口付け。

タダイマ画像が乱レテイマス、モウシバラクオ待チクダサイ。



今日も俺は夢を見る。でも、その夢には君とあいつの2人しか出て来ない。俺が見ている夢なのに、それは俺の夢じゃない。

「ははっ、……なんか、バカみたい」

どうせ君は汚されてしまったのだから、もういいんじゃないの?次は、俺色に汚してしまったって。どうせもう、あの頃と同じ君の笑顔は見られない、いや、同じようには見れないって言った方が適切なのかなあ。しがない罪なきドリーマー、その罪なき邪な色で、君に触っても、ねえ許される?



(さようなら、ドリーマー)
(俺は明日、愛しい人を汚します)



* * *

ポルノグラフィティの「ドリーマー」に触発されて書いたことがバレバレですね←
この曲を聴いていると、いつも音也を思い出していました。この恋に恋しているというか、綺麗な恋ばかりを夢見ていたせいで、歪んだ恋に足を突っ込んで泥沼というような青い感じは音也だなあと思います。そして、キスでは足りずに衝動が爆発してもっと相手を汚しちゃうんだろうなあ。こういうのもヤンデレと言えるのでしょうか。私はある意味でヤンデレだと思いますww
20120110

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