短編 | ナノ


「最近妹が髪をいじらせてくれないんだ。どうしてだと思う?」

「お兄ちゃんに髪さわられんのが嫌になったんじゃないの」

「反抗期なのかな」

「そういうお年頃なんだよ」

「えーそんなの嫌だよ!」

「何が」

「パパなんてきらーいって言うあれ直るの?直らないじゃん。現にお前とか高3になってもまだ直ってないじゃん」

「だって無理だもん。父親の下着と一緒に洗濯とか無理しぬ」

「それが俺の妹にもあるってこと?俺に?」

「自分でヘアアレンジとかしたいんだって」

「俺のアレンジは嫌だったってことかい?下手って?」

「そういうのじゃなくてさー」

「じゃあなんだよ!」

「幸村そういうの妙に凝りそうだからさ、それが嫌になっちゃったんじゃない?」

「……」

「好きな男の子の好きな髪型にしたいとかもあるじゃん」

「男!?」

「(やべ!)ねっ幸村さ、そんなに人の髪いじりたいならわたしの髪いじればいいじゃん」

「やだよ」

「はあ!?何で!?」

「あいつの俺に似てやわらかいふわふわしたくせっ毛をさわるのが好きなんだよ」

「……キモ」

「は?」

「ねえそれじゃない?」

「何がだい?」

「妹ちゃんその自己陶酔に付き合いきれなくなったんじゃない?」




20141020 幸村くんには妹の髪をくくったりしていて欲しい

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