頭をぺちりと叩かれてわたしは起きた、高田さんが叩いたみたいだ。

「まだ外暗い」

外はまだ真っ暗だった。

「俺は朝早いんだよ、だからさっさと寝ろって言ったんだ、ほら喰え」

そう言って高田さんは机に皿をおいた、ハンバーグだ。

「ハンバーグ!」
「餓鬼は単純だな」
「いただきます」

そう言ってぱくりと食べればとても美味しかった、高田さん料理が上手なんだな。
高田さんと一緒に部屋を出て隣りの結城さんの部屋に行く、高田さんに手を振ったら舌打ちされた。

「じゃあいい子にしてて」
「はい」

まだ何も書かれていないノートとクレヨンやペンを渡された、好きなように使いなさいと言われたのでわたしは絵を描いていた。
結城さんはあーとかうーとか唸りながら机にむかってせっせと何かをかいていた。
わたしはちらちらと結城さんを見ながらも絵を描いていた。

「お花できた」
「春希ちゃん」
「はい」
「ちょっとそこのペットボトルのジュースとって」

指差したとこには大きなペットボトルがあった、わたしは返事をしてペットボトルを抱えて結城さんのところへ持って行った。

「結城さん、これ」
「ありがとう、あ、あと結城さんじゃなくて光子だからみっちーとでも呼んで」
「みっち」
「うん」
「はい!」

なんだかお友達ができたみたいな感じですごく嬉しかった、みっち、みっち、笑いながら歌うみたいに声にだせばみっちもニコッと笑った。
みっちはお仕事行かないの?高田さんはお仕事に行ったのに、そう言えばみっちはお仕事してるよ、と言った。

「?」
「漫画家なんだ」

そう言ってみっちはわたしを抱いて机の上を見せてくれた、絵がたくさん描いてある。

「すごい」

そう言えばみっちは恥ずかしそうに笑った。