※なんか気持ち悪い
※人を殺してる













例えばほら、あかに染まった君は綺麗だろうなとか思うわけですよ、でもそのあかは世界の誰かが持ってるドレスの赤じゃない、君のその体中を駆け巡るそのあかなんです、そりゃあ世界中のどのあかにも負けませんよ。
君そのものなのだから。
きっと綺麗だろうなあ。
そう思ったらね、もう僕の衝動は止められません。
君を押し倒してその白く細い首に指を絡めて、力を少しずつ強めていけば君はより美しく完璧になる。
力無く横たわった君を見ながら僕は昨日買ったばかりの果物ナイフを取り出す。
さあ、美しくしてあげるからね。
そう呟いて僕は君の腹にナイフをゆっくり、ゆっくり沈める。
じわりと滲み出すあか、ああ、美しい。
もっとほしい。
ぐ、ナイフをより深く深く沈める、そのあかの海にナイフが溺れる。
綺麗だよ、この世界の誰よりも、今までの君よりも。
すっと指で腹から滴るそのあかを掬って君の唇を染める。
やはり君にはあかが似合う、そうだよ、桃色なんて淡い色じゃなくて情熱的で燃えるようなあかが、一番似合う。
どうせその桃色はあいつに唆されてつけていたんだろう、あいつは君のことを何もわかっちゃいない、僕は言ったよね、君にあいつは似合わないって、でも君は聞く耳もたなかった、だから僕が殺してあげたんだよ。
なのに、せっかく僕が殺ってあげたのに君は泣いて彼を返せとせがむんだ。
僕は確信したよ、このままじゃ君は自ら命を断つと、きっと君のことだから睡眠薬でも飲んで醜く死ぬんだろ?
だめだよ、死ぬなら君のその体中を駆け巡るあかで染まらないと。
だからさ、僕は思ったわけ、君が自ら命を断つ前に僕が美しくしてあげようって、ずっといつやろうか考えてたんだけどちょうどよかった。
ああっ、たまらない。
にたにたとはしたなく歪む口元を手で隠す、駄目だね、紳士たるもの優雅に美しく。
次第に白くなる君の肌に比例して映えるその あか !
ああ、美しい。
なんと、なんと言えばいいのか、どの世界の言葉にも言い表せやしない。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -