※現パロ






















「ばかは風邪ひかないって言うけど嘘だったみたいね」

私がそう言えば太子は私はばかじゃないでおまぶえっくしょん、とくしゃみした。
溜息をひとつついて私は太子に布団をかける、太子は布団にもぐってもごもごと私の名前を呼んだ。

「なに」
「桃の缶詰が食べたい」

太子は確かに桃の缶詰と言った。
はあ?私がそう言えば太子は恥ずかしそうに布団を頭までかぶった、私は熱が籠って風邪がなおりません、と布団をもとの位置にもどす。
太子は顔を赤く染めながら桃、とまた言った。

「わかった、買ってくる」

私が立ち上がる、すると太子もがば、と起き上がった。
私は溜息をついて寝てて下さい、と言う、太子は言った。

「そばにいてほしい」

ばかかこの人は、桃の缶詰が食べたいだ、そばにいろだ、両方いっぺんにできるわけがない、私は一人だっての。

「じゃあ妹子さんに桃の缶詰は頼みます」

そう言って携帯を取り出すと太子は私の携帯を取り上げた、なにするの、そう言えば太子は妹子はいらん、と言った。
そしてさらに、二人きりがいい、と太子は言った。
そんなロマンチックなことを言っても太子は風邪ひいてるから全然ロマンチックじゃないよ、そう言えば太子はひどいでおま、ぶえっくしょんとまたくしゃみした。
私はまた溜息をついた。

「早くなおして、そしたら構ってあげる」

そう言えば太子はニッと笑ってまかせろ、と言った、そしてネギだ!ネギのパワーを使うのだ、ネギ持ってこいとネギネギ煩かった。
私がネギを渡せば首にまいて太子は横になった。

「待っていろ、明日には復活だ!」

ネギを片手に太子は叫んだ。

「そしたらちゃんと仕事してね」
「え」

太子は面倒くさそうな顔した、私はニッと笑う。
はい、太子は小さく返事した。
そして、妹子が言ったんだな、と言った、そうです、そう答えればあいつの階級落としてやる、と太子は顔を真っ赤にした。

「熱あがるから興奮しない」
「はい」

太子はおとなしかった。
私が笑うと太子も笑った、早く元気になって、また遊びましょう、そう言えば太子はニコニコしながらそうだな、と答えた。
―――――
私が小さい頃は熱を出すと何故か桃の缶詰を食べてました。
何故…?
ネギも首にまいたことがあります。