ピンポーン、なんやねんこんな時間に、ってまだ午後3時や。
ピンポンピンポンピンポーン、誰やねん、てかおかんは?
目をこすって起きるとおかんからメールが来てた、ちょっと遅くなります、って絵文字うざ。
ピンポンピンポンピンポンピンポーン、だから誰やねん、俺が玄関まで行ってドアをあけると俺の愛しの彼女がいた。

「蔵ノ介!」
「え」
「ばかー!」

突然ばかて言われて抱き付かれた、なんやねんドッキリ?ドッキリなんか?
俺がドッキリなんか聞く前に彼女は口開いた、開口一番彼女の口から出た言葉は嘘つき、だった。
ええ?嘘なんかついてないで?そう言えば彼女はじゃあ忘れたの?と言った、目が潤んでいる。

「忘れ……な、んのこと…?」
「ばかー!」
「すまん」

なんのことだがさっぱりわからんと言えばデート!と必要以上の大きな声で言われて耳を思わずふさいだ。

「デー…あ!」
「やっぱり忘れてた…」

そうやそうや、今日は部活が休みやからデートしよか、そう先週言ったわ。
彼女は溜息をついて涙を拭った。
あーあかん、泣かせてもうた、俺はぐずる彼女の頭を撫でた。

「ほんますまん」
「ばか、ばかばか」

彼女は蔵ノ介が来ないから事故にあったのかもって、心配したんだから、と言った。
あかんもうこいつめっちゃ可愛いやん。
俺はがばりと彼女を抱き締めた。
蔵ノ介、小さな声で俺の名前を呼ぶ彼女、なんや、答えると本当に私のこと、そこまで言った時に唇で彼女の口をふさいだ。

「すきや」

彼女はぽろぽろ涙を流した、あかん欲情してきた。
ぎゅう、抱き締める力を強めると彼女は痛いと小さくもらした、俺はすまん、我慢してや、と言って力を緩めなかった。

「蔵ノ介、ほんとに」

痛いねんて、涙をほろり、流す彼女に不覚にもさらに欲情した。