「ジロー、私、言うよ」
「うん、言ってこい」

そう言ってジローは私の背中を押してくれた、ありがとう、ジロー、最後まで頼りっぱなしだったけど、幼馴染みがジローで本当によかったよ。

「向日くん、私、私ね、考えたんだよ、最、初はね、向日くんみたい、な、キ、ラキラしてる、人、に、苦、手、だったんだけどね、」

俯いて、もごもごと言っていると、ジローが声出して、と言った、そうだ、ちゃんと伝えなきゃ。
大切なこと、なんだから。

「最初は苦手だったけど、今は、今は、好き、です!」

向日くんの目を見て言った。
言い切った。
向日くんは、目を丸くした。

「すき…って…今…」
「好き、向日くんの優しいところが、好き、」
「やべ…泣きそ」

向日くんはくるりと後ろをむいた。
私は、どうしたのか気になって、向日くんの顔を覗き込もうとするとがばりと抱き締められた。

「信じて、いいんだな」
「う、ん」

信じて、そう言えば向日くんは涙を、ほろりと流した、私はそれを拭って、笑ってた方が、格好いいよ、と言う。

「そっ、か…わかった」

ニッと向日くんは笑った、やっぱり、笑ってた方がキラキラしてる。
私がジローにお礼を言おうと振り向くとジローが、いなくなっていた。
私はまわりを見渡す、ジローは、いない。

「ジロー…」
「追いかけたら?」
「え」
「俺は大丈夫だから」
「う、うん」

そう言って向日くんは私を離した。
私は、ありがとうと言って、走った。
走って、走って、自然と私は、私の家の近くの公園にむかっていた。

「ジロー」

ギコギコとブランコをならしながらジローは座っていた。
声をかけるとジローはびっくりしたみたいで目を丸くした。

「がっくんは?」
「追いかけたら?って」
「そう」

私は、ジローの隣りのブランコに座る。

「ジロー、ごめんね」
「何回謝るの」
「うん、ごめ「謝りすぎ」

そう言って、ジローは立ち上がって私の額にちゅ、とキスをした。
かあ、顔が赤くなる。

「ジロー…」
「これでちゃら」

ありがとう、聞こえないくらい小さな声で言った。