廊下を走ってはいけません、なんてよく言うけれど、この間私は先生が本気ダッシュしてるの見てしまった。
まあ別にだからと言って廊下ダッシュする気は今は起きないから歩く。
あの先生はきっと急いでいたんだろうな、本気ダッシュだったもの、本気ってかいてマジと読む感じで。
陸上とかやっていたのだろうか、本当に速かった。

「あ」

目の前を風が通り過ぎた。
いや、正しくは本気ダッシュの先生。

「先生今日も本気ダッシュしてる、ハハハ、誰だか知らないが赤也さんご愁傷様だなー」
「ぶっ」
「え?」
「せ、せんせ、じゃ、って、さな、さな、」
「え…あの、大丈夫ですか?若白髪すごいですね」
「ぶはっ、若白髪、わか、しらっ」
「うわ赤!え…赤也さん?」
「ちが、ぶはっ!」

なんだかよくわからない若白髪さんと赤也さん(仮)に絡まれた。
私の言動の何かがツボに入ったのか二人でお腹を抱えて笑っている、というか赤也さん(仮)は逃げなくて大丈夫だろうか、さっきの先生の顔は鬼だったぞ。
捕まったらきっと校庭100周走らされるか殴られるぞ。

「赤也さん早く逃げて!見つかりますよ!」
「くくくっ」
「だから赤也じゃねーって!」
「致し方ない、私のおしゃれ伊達眼鏡で変装を!さあ!さあ!」
「話し聞けよ!まあ眼鏡はかけるか」
「ブンちゃんおしゃれー」
「ははははもっと誉めろよ、お前も誉めろ」
「眼鏡のセンス最高!」
「自画自賛じゃねーか!」

赤也さん(仮)が私の頭をべしりと叩く、ツッコミだろうが痛い、キミは手加減を教わらなかったのか。

「眼鏡かけ機が、喋った…!?」
「ぷはっ」
「今ので頭がおかしくなったみたいだな」

なんだかもの凄く失礼な二人組だ、若白髪と赤也さん。
白と赤を足してピンクブラザーズと呼ぼうか、なんだかエロいな。
それより本当に笑いすぎじゃないだろうか、なんだか恥ずかしいし苛つく。
笑わせると笑われるは大きく違うのだ。

「それより本当に赤也さん逃げて下さい」
「いやだから俺ブン太だから!」
「赤也ブン太さん」
「ちげぇよ!丸井ブン太!」
「丸い豚、紅の豚…紅…赤……赤也さん!」
「こじつけるな!!」
「あ、赤也さん…くくっ」
「若白髪が笑うなよぃ!」
「俺は仁王雅治なり、まさちゃんでよか」
「………面白いあだ名が浮かびませんでした、すみませんピンクブラザーズ兄。」
「ぶはっ」
「ピンクブラザーズ兄とか、弟もいんのかよ!」
「…え、」
「俺かよ!ってジャッカルかよ!」

ジャッカル、狼に似ているあの動物ですかね、意味がわかりません。
この人はちょっといやかなり頭が、残念なのだろうか。

「はあ、顔だけよくてもねぇ?」
「なあ仁王、殴っても許されるよな、この心底馬鹿にした顔は殴っても許されるよな!!」
「暴力反対!赤髪変態!」
「変態なりなり」

殴られた。

ちなみにピンクブラザーズ兄こと若白髪さんも殴られた。

「痛いぜよ!暴力反対!」
「別に痛くはありませんがなんか無性に苛つきます禿げろ」
「女ってこえー」
「まさちゃんも今鳥肌たった!」
「気持ち悪…あ!先生!先生この二人がか弱い女子の私を無理やり襲ってきてあんなことやこんなことを!助けて下さいっ」

たまたまさっきの怖そうな先生がいたので助けを求めるという名の嫌がらせをする。
先生は私の方を見てなんだか泣きそうな顔をしたが、それは無視だ。

「お、俺は教師ではっ」
「襲われてるんです!無理やり!無理やり眼鏡を奪われて!」
「いや自分から貸してくれただろぃ!?」
「眼鏡かけ機とか言ってたぜよ」
「なに!?丸井、仁王!!」

さすが、SAMURAI!みたいな見た目をしているだけある、怖い。
迫力がすごい。

「誤解じゃ真田!」
「そうだ!誤解!」
「先生を…呼び捨て?」
「いやだからタメだから!同い年!」
「………豚が嘘ついてんじゃねぇよ養豚所へ帰れ」
「怖ッ!急に口悪!」
「こんなにSAMURAIな人が同い年なわけない」
「侍か…」
「真田がなにやら満更でも無さそうな顔をしちょる!」
「真田ーッラケットを刀みたいに振るな!こら真田!戻ってこい!」

なんだか真田先生(SAMURAI)はテニスのラケットを刀のように振り出した。
風圧がすごい。
これぞラストサムライ!ちょっと意味がわからない!

「とりあえず飽きたので帰ります、さよなら」
「ちょ」

逃げるな、そのような言葉聞こえません。
帰り道に頬を真っ赤にして泣きじゃくる海藻を見ました。

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