ぱ し ん 有人の手を振り払うように叩くと綺麗な音がした。静かな、拒絶。 有人は私の名前を呼ぶ、いやよ、聞きたくない。 目をぎゅうと瞑って有人を見ないようにした。 愛 し て い る ん だ そう、耳元で囁かれる。 有人は続けてやり直すことはできないのか、と私に問う。 目をぎゅうと瞑りなおす、やり直す、こと、なんて。 も う 寂 し い 思 い は し た く な い の 耳を塞いで涙をこらえる、有人は私の肩にそっと触れた。 そして、そっと抱き締められた。 いや、と拒絶しても有人は離してくれなかった。 離 し て それだけを乱暴にいう。 離 さ な い 寂 し い 思 い な ら も う さ せ な い 有人はそれだけ言って私を強く抱き締めた。 嘘 よ 涙が零れそうになった。 嘘 な ん か じ ゃ な い 名前を呼ばれて半ば無理矢理キスされる、長い、今までこんな長くキスなんてしたことないのに。 苦しくなって有人の胸を叩く、すると有人はすんなりとキスをやめてくれた。 息を整えていると有人は私にまた、愛しているんだ。と言った。 涙がほろり、零れた。 寂しかったよ有人。そう言って抱き付くと有人は気付いてやれなくて悪かった、と私を抱き締めた。 |