「村井くん」
「おや、うららんから話しかけてくれるなんて血液型占いもたまには当たるんだなあ」

村井くんはにこにこ笑いながらどこかで聞いたようなことを言った。

「お前と鈴木って似てるというより同一人物だよな」
「(あ、鈴木くんが前に言ってたなあ)」

征矢の言葉に村井くんは天使派と一緒にしないでくれと怒る、すると後ろの鈴木くんが僕だって嫌だよと叫んだ。
そこから鈴木くんと村井くんの喧嘩がはじまった。
喧嘩といっても征矢みたいに手がでないから安心してみてられると思ってみていると意外と白熱してきてどうしようかと迷っていれば田中が間に入って喧嘩を止めた。
しかし鈴木くんたちは止まらない。

「止めてくれるな田中くん!」
「そうだ!天使派滅べ!」
「だから僕はそのアニメ知らないって!」
「うるさい、こいつは何か言いたいことがあって話しかけたんだろ?無視すんのか?」
「…ごめんなさい」
「…ゴロニャン」

村井くんが招き猫のポーズをとる、それを見た鈴木くんが顔を真っ赤にして怒鳴り出した。

「僕は君のそういうところも気にくわない!なんだゴロニャンって!謝罪しろよ!むしろ吐血しろ!」
「ズッキーニはさー、まじめすぎるよーモテないでしょ?」
「お前は友達いないだろうが!」

田中と征矢が笑い出す、鈴木くんが村井くんに追い討ちをかけるようにガンガンいろんなことを言いまくる。
言い負けそうになると村井くんはパンパンと手を叩いてみんなを止めた。

「うるさいよみんな!うららん!僕に用事があったんだよね?」
「あ、そうだ、村井くんって双子だったんだね」
「え?ふたご座?」
「豚小屋?」
「もう一人の僕に会ったのかい!?」
「征矢一発殴っていいよ」
「了解」

ギャアアアア、と悲鳴をあげた村井くんを無視して鈴木くんと田中が私に本当に双子なのか、と聞いてくる。

「そうみたい、同じ顔なのに中身は全然違った、なんでこっちが転入してきたんだろう」
「あれ?あれうららん?違うよね?キャラ壊れてるよ?」
「ごめん本音が」
「やべえ、涙とキャラ崩壊が止まらねえ…っ」