今日私はある人物を呼び出していた、約束の時間の数分前、彼は現れた。

「いやー、二話連続だなんて嬉しいなあ、えへへへ」

へらへらと目の前で笑っている幸一先輩、神様とは気まぐれな方なのだろう、なんとあののんちゃんのお兄ちゃんだ。

「黙ってついてこい」
「え?なに?いつもとなんかキャラ違くない!?」
「今日はクールビューティーな感じで行きたい」
「いやそれ言ったらだめでしょ!!」
「やっぱり?」

だよね、と笑う。
私のクールビューティーキャラは幸一先輩に会って数分で終わった。
まあ別にそれはどうでもいい。

「今日は大切なことを幸一先輩に教えたくて呼んだんだ」
「なに?」
「 自 重 」
「え?」
「わかるか?今の君に、最も必要なものだ」
「まじかよ!レギュラー降板宣言じゃねーか!!はっ…まさか自重は自重でも健康に注意することって意味?」
「いや、行動をつつしむことの方」
「まじでかーッ!」
「いやホント、のんちゃんの兄とか嘘でしょ?」
「本当だよ!」
「似てないし」
「目元がそっくりだとよく言われるよ!」
「整形したんか…」
「してない!てか自重って…出番すっごく少ないのに!」
「金輪際でなくていいよ、今までありがとーわーぱちぱちぱち」
「いやだよ!!拍手すんな!ギャラなしだろーが行くよ!」
「むしろギャラ払えよ」
「なんでだよ!!」
「愚問だな、ギャラという名の迷惑料さ」
「なにそれひどい!」