幸一先輩に絡まれてのんちゃんに会うのが遅くなってしまったが、のんちゃんはにこにこ笑いながらお兄ちゃんおしゃべり好きだから、ごめんね、と謝った。

「いやいやのんちゃんは謝らなくていいよ」
「うん」
「やっぱりさ、キャラが薄いと出番は少ないんだよ」
「?」

のんちゃんが首を傾げる、私はシビアな世界だなあと呟く、のんちゃんの首が今度は反対に傾いた。

「何して遊ぶ?」
「あ、そうそうお菓子作ったの」

のんちゃんがマドレーヌを数個机の上にだした。
私はがたがた震えているとのんちゃんは笑った。

「いや、私じゃなくてお兄ちゃんがね」
「そうか…ならいただきます」
「うん」

もぐもぐもぐもぐ、美味しいね、私が言えばのんちゃんも美味しいねと言って笑った。

「そうだ、この本面白かったんだよ、読む?」
「ほんと?読む読む!」
「最近話題の作家さんなんだよ」
「そうなんだ…あ、名前聞いたことあるな」
「でしょ?」
「じゃあ今度私ものんちゃんに面白い漫画貸してあげる!」
「ありがとう!」

なんだか、ガールズトークとはこんな感じなんだなと思った。

「あと可愛い雑貨屋さん見つけたの」
「兎のある?」
「もちろん!」
「わー今度行こう!」
「うん」
「あ!私も美味しいケーキ屋さんを見つけたよ!」
「え?ほんと?」
「うん、フルーツタルトが美味しかった」
「モンブランは?」
「食べてないけど美味しいよきっと!」
「今度行こうね」
「うん」

のんちゃんと話すと時間が早くすぎる気がする、ちなみに幸一先輩は十分が一時間くらいに感じる。