曽良に好きって伝えたくて私は曽良の家まで走った、途中何回か転んだけど痛くもなんともなかった。
曽良の家についたら当たり前だけど曽良がいて、どうしたんですか、と言いかけて固まった。
曽良?首を傾げると曽良は私の腕をぎゅうと握り家に無理矢理いれて部屋まで引きずるようにして連れてきて部屋にぽんと置き去りにされた。
私はなにが起こったのかよく理解できなくてだらしなく口をあけていた。
しばらくして曽良が部屋に戻ってきた、手には救急箱を持って。

「曽良」
「血だらけで何しに来たんですか」

怒ってるみたい、曽良はそう言うと救急箱から消毒液を出してティッシュを私の足にあてて消毒液をシュッとかけた。
痛い、叫ぶと黙ってなさいと言われて少し乱暴な消毒は続いた。

「終わりましたよ、」
「ありが、と」
「そんなに痛かったですか」
「うん」

目に涙を浮かばせてこくこくと頷くと曽良はふ、と笑った。
笑うところじゃないよ、と言いたかったけど言ったら曽良に断罪チョップされそうなので言わなかった。
曽良は何しに来たんですか、とまた私に言った、私は好きです!と叫んだ。
曽良はまた固まった。(曽良は私のこと、嫌い、なのかな)
少しして曽良はほんとですか、と言った、私ははい、と答える。

「そうですか」

曽良は優しく微笑んだ、私は恐怖に身震いした。
曽良が、あの曽良が優しく微笑むなんてありえない。
私は咄嗟に頬を抓った、痛くない。
これは…

「夢だー!」
「煩い」

ぱしん、頬に痛みがはしる、目の前には曽良がいる、私はすべてを理解した。
今まで夢を見ていて、夢だと叫んだ瞬間曽良に頬を叩かれたのだと。

「てか何故曽良ここにいるの?」
「夫が妻の隣りで寝てはいけませんか」
「え」
「忘れたんですか」
「ストップストップ断罪チョップはやめて曽良のことからなにから忘れちゃうから」

思い出させてあげますよ、曽良はそう言って私に断罪チョップをした。
かなり痛い、夢じゃないんだ。
大好きな曽良と結婚、ああ幸せだ。

「なにニヤついてるんですか気持ち悪い」
「曽良大好き」
「知ってます」