「妹子ってさ」
「んー」
「納豆嫌いそう」
「はあ?」

なんだよ突然、と目の前でうどんを食べてる妹子は笑った、私がなんとなくだけど妹子納豆嫌いそうじゃんほんとに、とお茶をすするといや好きだけど、と妹子はうどんに七味唐辛子をかける。

「好きなんだ」
「ああ」
「ほんとに?」
「ほんとに」

なら納豆体中に塗って納豆最高ッ!って叫べるんだ、と私が言えば妹子はうどんを吹き出した。

「大丈夫?」

げほげほと苦しそうに咳き込む妹子にお茶を渡す、妹子は私からお茶を受け取ってごくごくと一気に飲み干した。
それから布巾で机をふいて、なんなのそれ、と私に目を向けた。

「納豆好きならできるかと思って」
「できねーよ」
「私なら………」
「できるの?」
「太子ならできる」
「ああ…」

できるな、あの人なら、と妹子は笑う。

「あの人はもしかしたら週に一回くらいやってるかもしれないね」
「もしそれが事実なら僕は今すぐ仕事を変えます」
「私も変えます」

そう言い切ってしばらく無言、ふう、と溜息をついて私はお茶をすする。

「平和だなあ」
「ああ」
「太子のおかげ?」
「うーん…まあ、わざわざ休暇くれたのはあの人だしなあ」
「お団子買ってあげる?」
「…まあ、一本くらいならいいか」

そう言いながら妹子は団子を九本頼んでいた、一人三本ずつか、ぽつり呟くと妹子は少し照れくさそうに僕が八本で太子は一本ですと言うので私は思わず吹き出してしまった。
太子、太子、私たち意外と感謝してます、けどツンデレです、すみません。
(私は0本?)
(とーぜん)
(ひどっ)