「めめ先生」

にこにこにこにこ、満面の笑みでボクを呼ぶ彼女はなんだか汚い布切れを持っている。

「……その可哀相な布切れはなんなのだ?」
「めめ先生です」
「…」

ボクはこう見えているのだろうか、少し悲しい。

「私徹夜で作ったんです、可愛いでしょ!」
「…はあ」

にこにこにこにこ、まだ笑っている、可愛いのか、これは可愛いのか、ボクはそうは思わないがこれは可愛いのか。
もう一度見てみるが可愛くはない、女というのはこういうのを可愛いと思うのだろうか、ボクにはわからない。

「これでめめ先生が仕事でも一緒にいれます」

へらへら、ゆるゆるな笑顔で恥ずかしいことを言う。
真っ赤になりそうな顔を服で隠した。

「…きょ、」
「はい?」
「今日は暇だからここにいればいい」
「…めめ先生っ」

ぎゅっと抱きつかれた。

「べ、別に可愛いとか思ったわけじゃなくてだな!ただっそのっ」
「大好きっ」
「、」

ちらりと服から彼女の顔を覗けばボクに負けないくらい顔が真っ赤だった。
ガタッ、音がした方を見ればジジがあたふたしていた。

「あ、ジジさん!ジジさんのも作りましたよ」
「あっ、ありがと」
「……ジジのはなんか上手くないか?」
「めめ先生ヤキモチですか」
「ちがっ、ボクはただ事実を述べたまででだな!決してヤキモチとかじゃっ」
「かーわーいー」
「やっぱり仕事が残ってるから帰れー!」