昼休みが終わって、午後の授業も終わって放課後私はのんちゃんを誘いにのんちゃんのクラスに来ていた。

「のんちゃーん」
「どうしたの?」

のんちゃんはぴょこぴょこと駆けてきた、私はニッコリ笑って遊ぼうと言う。
のんちゃんもニッコリ笑っていいけどどこで遊ぶのと言った。

「田中の家、征矢も鈴木くんも行くんだって、勉強会だよ!」
「田中君の家かあ、みんな行くならわたしも行きたいな、でもわたしも行って平気なの?」

のんちゃんは首を傾げた、私は、田中が誘っていいって言ったから多分大丈夫だよ。と言って笑う、するとのんちゃんは少し考えてから、なら行きたいな、と呟いた。
私はやった、と叫んでのんちゃんの手をとってジャンプした。

「じゃあ今日準備できたら私の家きてね!」
「うん!」
「じゃあ私帰るね、ばいばいのんちゃん」
「うん、またあとでね」

そう言って私はのんちゃんに手をぶんぶんふって階段を駆け下りた。
下駄箱には征矢と鈴木くんと田中がいて、私を見ると鈴木くんはニッコリ笑って手をふってくれた。

「どうかした?」
「一緒に帰ろうよ」
「うん!」

私が笑えば征矢も鈴木くんも田中も笑った、靴を履いて先に歩き出した征矢の背中に飛び付いた。

「、おい」
「へへっ、征矢おんぶして」
「俺じゃなく田中か鈴木に頼め」
「僕でいいならいつでもおんぶするよ!」
「俺はしないからな」

征矢の背中にぎゅうとしがみつく、征矢は私をおろそうとぴょこぴょこ動く、その姿を遠くからみたらきっと面白いんだろうなあと思って私は笑った。
すると征矢が何笑ってるんだ、と聞いてきたので、私は内緒と大きな声で言った。
校内からでてしばらく歩くと田中と鈴木くんと別れる場所まできた。

「じゃああとでね」
「勉強道具忘れるなよ」
「はーい」

元気よく返事して手をふる、田中と鈴木くんも笑って手をふってくれた、征矢はいい加減おりろと言ったけど私は聞こえていないふりをした。
いつの間にか大きくなった征矢の背中におでこをつける。

「どうした」
「なんでもないよ」

もう力じゃ絶対敵わないし、身長も征矢の方が大きい、征矢が遠くに行っちゃう気がして、私は少し寂しくなった。

「征矢…」

どこにもいかないでね、ずっとそばにいてね、聞こえないようにそっと呟いた。