ほらほら丸井、お前実は豚なんだろ、ブーってないてみろ、ほら、ブー。そう言った幼馴染みの頭を教科書の角で思い切り叩いてやった、幼馴染みは叩かれた場所を押さえて蹲った、ざまあみろ、俺が鼻で笑うと幼馴染みはまた、ブーと言った、懲りないやつだと俺は溜息をついて教科書を丸める、何故かって、さすがに二回も教科書の角で叩いたら血がでそうだからだ。
俺って優しいよな。
教科書を丸め終わると幼馴染みの頭目掛けて振り下ろす、その瞬間幼馴染みがひょこっと顔をあげた、やべ、これじゃあ顔面に。
ぱああんっ、すごく痛そうな音が教室に響いた、教室にいた奴等はみんな俺達を見ている、廊下にいた奴等でさえも何事かと教室をのぞいている。
俺はやっちまったと幼馴染みを見る、すると顔に赤く縦線がはいっていた。
泣くかな、いや、泣くよな、俺が謝ろうとすると呆然としていた幼馴染みは俺の顔見て、やっと何がおきたのか理解したみたいで泣き出した。

「びえええええん」

幼馴染みは小さいガキでもこんな泣き方しねえし、漫画でしかこんな泣き方聞いたことねえって感じの泣き方をした、涙が滝みたいに零れて落ちる、俺は溜息をひとつついて幼馴染みの隣りに座り込む。
悪かった、そう言っても幼馴染みの泣き声で俺の声は誰の耳にも届かない。
また溜息をついて幼馴染みの頭を撫でる、すると幼馴染みはもっと声をあげて泣き出した、だめだもう誰にも止められねえと思って俺はがくりと肩を落とす。
びえええええん、幼馴染みはまだ泣きやまない、いつの間にか教室にいた奴等はみんな、放課後ということもあり帰ってしまった。
俺もこのあと部活あんだけどなあ、はあ、また溜息。
でもまあ、たとえ幼馴染みだとしても女泣かせてそいつが泣きやまないうちに部活にでたって真田とか幸村くんにバレたら俺殺されそうだから少しの間くらい部活行けなくてもいいんだけどさ、でもテニスやりてえなあ、てかこいつ俺の天才的なとこ見たら泣きやむんじゃね?
そうだよ、この間俺のテニスが好きって言ってたしよ!

「よし行くぞ!」

俺はそう言って幼馴染みの鞄と自分の鞄を片手で持って、あいているもう片方の手で幼馴染みの手を握る、幼馴染みは泣きながら俺に引っ張られるまま走り出す。
俺は階段を駆け下り、テニスコートへ飛び込んで、コートの危なくない場所に幼馴染みを座らせてラケット片手に制服でジャッカルにテニスやるぞと叫んだ。
ジャッカルもコートにいた奴等も全員俺を見て、そして未だ泣きやまない幼馴染みを見て驚いた。

「は?やるって?てかお前、あいつ泣いて…」
「いいからサーブ打て!」
「お、おう」

ジャッカルが首を傾げながらサーブを打つ、俺はそれを打ち返す、やっぱ俺って天才的、見てるか、俺のこの姿、と幼馴染みを見るとまだ泣いていた。

「ちっ、だめか、ジャッカルさんきゅ、またな」
「は?え?ええ?」

幼馴染みの座っているところへ歩いていって頭をぐしゃぐしゃと撫でる、幼馴染みはまだびえええええんと泣いている。
俺は幼馴染みの隣りに座って、頭を撫でた。
しばらく静かに頭を撫でていたら、幼馴染みの泣く声が少し静かになった。

「丸井の、ばっ、かあっ」
「あー、悪い」
「死ぬほどっ、いたっか、ったっんだから、」

そう言って涙を制服の袖で拭く幼馴染み、俺は鞄からタオルをだして差し出した。
すると幼馴染みは俺のタオルを受け取って涙を拭いた。
涙を拭いて泣きやんだ幼馴染みはニッと笑って俺の顔を見て言った。

「あっ、豚だブー」
「お前喧嘩うってるだろ」


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