「征矢はどんな女の子が好きなの?」

屋上で征矢と田中とお昼ご飯を食べてる時にふと思ったことを聞いてみた。

「は?」

征矢は口をぽかんとあけて瞬きをぱちぱちと二回ほどした。
隣りにいた田中はお茶をふきだした。
私はティッシュをだして田中に渡す、ありがとうと言いながら私からティッシュを受け取った田中は口や机をふいた。

「征矢はどんな女の子が好きなの?」

もう一度聞けば征矢は溜息をひとつついた。
田中は頬杖をついた。
私は目を輝かせながら征矢を見つめる、征矢は私を見るとまた溜息をついた、そしてどうしても言わなきゃだめかと言った。
私はこくこくうなずく。
征矢はまた溜息をついた。

「まあ…第一条件は」
「第一条件は…」

ぽつりと繰り返す。

「女であることだな」
「おお…(これは私にもチャンスがあるんじゃないか)」
「はい終了」
「えー」
「田中はどうなんだよ」
「は?俺?」

突然話をふられて田中は首を傾げた、私はそうだね田中のタイプは?と言った。

「あー…俺のタイプか…」
「幼女でしょ」

鈴木くんがやっほーと手を小さくふって笑った。

「鈴木…お前俺のことそんなに嫌いか」
「あははそんなことないよう」

鈴木くんがへらへらと笑う、田中は鈴木くんを睨んでいた。

「幼女が、好きなの?」
「信じるなばか!」
「お前がまさか幼女が好きだったなんてな…」
「飛鷹お前喧嘩うってるよな」

田中がお弁当の卵焼きをぱくりと食べた、私はたこさんウインナーを口へ運ぶ、征矢はコンビニのパンをもぐもぐと食べていて、鈴木くんは美味しそうなエビフライにソースをかけていた。
私はエビフライがほしくて自分のお弁当で交換できるものがないかとお弁当を見つめる。

「…鈴木くん」
「なんだい?」

鈴木くんがエビフライを一口かじった。

「エビフライと私の作った昨日の残り物のハンバーグ交換して下さいお願いします」
「(手作りハンバーグ!?)もちろん!」

鈴木くんの返事に私は思わずやったと呟いた、すると田中が私のお弁当を見た。

「ハンバーグいいなあ、まだあるんなら俺のコロッケとも交換してくれよ」
「冷凍食品?」

私が首を傾げると田中はいやいやと手をふった。

「今朝俺が作った、今日の弟たちの夕飯」
「田中のお弁当っていつも田中の手作りなの!?」

私がびっくりして大きな声をだすと田中は少し驚いた顔をしておう、と答えた。

「すごい!田中かっこいい!」
「そうか?ただ弁当作ってるだけだろ、普通だよ」
「いや、すごいよ、しかも夕飯も作ってるの?」

私がそう言うと田中は頷いた。
鈴木くんもすごいね、と呟いた。

「まあうちは共働きだしな」

田中は笑った。

「そっか、弟くんたちはいくつになったの?」
「上の弟は10と下の弟が8でえーと妹が5、かな」
「いやー兄弟いいね、私一人っ子だから羨ましいよ、田中の家いってみたいなあ」

そう言えば田中は少し考えてくるか?と言った、私はいいの!?立ち上がる。

「ああ、煩いけどな、ついでに勉強もみてやるよ、飛鷹もくるだろ?」
「ん、おう」

もぐもぐと口を動かしながら征矢は答えた。

「鈴木も勉強みるの手伝いにこいよ」
「もちろん!僕の天使のいるところになら僕はいつだっていくさ!」
「あー…お前女子一人で嫌だったら佐々木も誘えよ」
「うん、のんちゃんも誘う!」

私たちはみんなで田中の家にいくことになった。

「てか話題変わりすぎじゃね」
「話題?」
「あー…いいよ別に」
「変な征矢」