朝学校に行ったら教室に誰もいなかった、いつもなら田中とか他の子達がいるはずなのに、私は首を傾げながら机に鞄をのっけて座った。
5分しても誰もこない、時間はそんなに早くはない、10分しても誰もこない、のんちゃんの教室へと歩き出したけど廊下には生徒は一人もいないし私の教室以外の教室にも誰もいない、のんちゃんの教室につくとのんちゃんも鈴木くんもいなかった、なんで、のんちゃんも鈴木くんもいつもこの時間には来てるのに、私は早足で教室へと戻った。
教室について自分の席に座る、誰もいない、先生もいない、なんだか教室もいつもの教室じゃない感じがする、私は怖くなって鞄を持って教室を飛び出した。
どうしよう、私は携帯を取り出して征矢に電話をかける、征矢はでない、いつもならすぐでてくれるのに、みんないないのもおかしい、私一人だけなんて、怖い、すごく怖い。
涙がぼろぼろ零れてきて、拭っても拭っても涙が零れる、私は廊下に蹲った。
鈴木くんに電話しよう、携帯をいじる、鈴木くんもでない、怖い。
もしかして世界は私一人になってしまったのかもしれない、昨日幸一先輩にあんなことしたから罰があたったのかもしれない、取りあえず田中にも電話してみよう、私は携帯をいじる。

「もしもし」
「た…なかあ…」
「え、なに、泣いてる?どうした?」

田中の声が聞こえる、涙がぼろぼろ零れる、よかった、私独りぼっちじゃない、ちゃんと電話のむこうに田中がいる。

「うわーんなんで学校来ないんだよー!」
「え、今日開校記念日で休みだから…」
「え……」

涙が止まった、開校記念日、と呟く。

「なにお前今学校なの?」

くすくすと田中の笑い声が聞こえた、私は恥ずかしくて俯いた。

「笑うな…取りあえず田中学校来い」
「は?」
「隊長命令だ!」
「いやなんの隊長!?」

数十分後、田中が学校に来てくれた。
私は取りあえず笑ったら殴るからねとだけ言って一緒に帰った。
田中はぶつぶつ文句を言ってたけど私は聞こえないふりをしていた。
田中は相変わらずぶつぶつと何かを呟いている、ちょっと怖いぞ。

「てかさ、なんで帰るだけなのに俺を呼んだんだよ」
「え、寂しいから」
「飛鷹に頼めよ」

溜息をついて田中は言った、私は征矢電話でなかったんだもん、と言って欠伸をした。

「鈴木は?」
「でなかった」
「ま、寝てるんだろな」

休みの日だし、そう言って田中はコンビニ寄っていいかと聞いてきたのでごちになりますと言った。

「誰がお前に奢るか」
「えー、てか田中は寝てなかったの?」
「あー、まあ」
「なにしてたの?」
「え…勉強」
「つまらない奴だな」
「奢らないからな」
「田中すっげー!さっすがー!努力家!天才!格好いい!おっとこまえ!セクシー!」

私がそう言うと田中はアイス1つな、と言った。
やった、私が笑うと田中はコンビニに入っていった、私もあとを追う。

「てかなんで学校休みなのに玄関あいてたんだろう…」

私の呟きは田中には聞こえてなかったみたいで私も考えるのが面倒なので考えるのをやめた。