過労で倒れた日の翌日、一応学校を休んで部屋で休んでいた、お昼頃飲み物がほしくなってリビングに行くと征矢がいました。

「お、起きたか」
「学校は?」
「あーサボり」

私の家のリビングのこたつでぬくぬくしている征矢に私は溜息をついた。

「あ、腹減ったからなんか作ってくれ」
「病人にそれを言うか」

私がそう言えばそっか、と征矢は言ってじゃあ粥でも作ってやろうか、と言った。
征矢がお粥を作ってくれる?
是非!と叫べば征矢はじゃあ台所借りるぞ、と立ち上がった。
征矢と入れ替わるようにこたつに入る、なんだか新婚さんみたい、そんなこと考えたら顔が赤くなってきた。

「おい熱あるんじゃねーの?」
「大丈夫だよ…うん」

頬に手をくっつけて頬を冷やそうとする、征矢は大丈夫かと聞いてきたので全然大丈夫と答えた。
しばらくすると征矢ができたぞと私の前にお鍋と皿をおいた。

「おっ、美味しそう!」
「ふ、俺実は料理得意なんだよな」

征矢が照れくさそうに笑った。

「すごーい、征矢と結婚したら楽できそう!」

すごく失礼なこと言ったなと言ってから気がついた、征矢怒るかな、と思っていたら征矢は顔を真っ赤にして、け、結婚!?と叫んだ。
どうやら怒ってはいないようだ。

「うん、いいなあ征矢私と結婚しよーよ」
「まっ、まだ年齢的に結婚は…」
「……なに真面目に答えてるのさ」

適当に流してよ恥ずかしい、と言えば俺の方が恥ずかしかったと言われた。
確かに征矢めちゃくちゃ恥ずかしかったわ。
なんだか二人して黙ってしまった、気まずい。

「喰えよ」
「あ、いただきます」

お粥を一口食べたらすごく美味しかった、いい塩加減。

「美味しー」
「よかった」

征矢は安心したように笑った、私も笑う、うまいうまいと言いながら食べすすめていく、すると征矢のお腹がなった。

「食べれば?」
「そうする」

征矢がもう一枚皿を持ってきて食べはじめた。
めちゃくちゃふーふーしてるけどそうだ征矢は。

「猫舌だったよね」
「まあ」

ピンポーン、インターホンがなったので玄関のドアをあけると田中と鈴木くんがいた。

「あれ?田中と鈴木くん?」
「今日午前中しか学校ないからさ、飛鷹に襲われてないか確認しにきたよ」

田中がへらへらと笑う、私は首を傾げた。

「襲う?」
「誰が襲うか!」

征矢がリビングからひょっこり顔を出した。

「そうだね、そんな勇気なかったよね飛鷹くんには」
「黙れ鈴木のくせに!」

だだだ、と駆けてきた征矢が鈴木くんを殴った。

「毎回殴るのやめてくれないか飛鷹くん!」

鈴木くんが溜息をついた、征矢はうっせ、と言ってリビングに戻った。
それを見た田中が、俺らもあがっていい?と聞くので、どうぞとリビングにあげた。

「おじゃまします」
「ほんとに邪魔だな」
「煩いよ飛鷹くん!」
「あ?鈴木のくせに」

征矢は鈴木くんをもう一度殴った。
田中はお粥がある、とお粥をひとくち食べた。

「うまいじゃん」
「それ私のスプーン!返して」
「あ、そうだったの?間接キスだね」

そうだね、けたけた田中と笑えば征矢と鈴木くんが田中を殴った。

「田中あああああ!」
「田中くんキミって人はあああああ!」
「うわああああなんか地味人間のくせになんか変なこと言ってごめんなさい!」

田中が殴られた頬に触れながら叫んだ。

「もう一発…」

征矢が殴ろうとする。
田中は小さな声で言った。

「お願いもう殴らないで…これ以上殴られたら痛みが快楽に変わりそうだから」
「………飛鷹くんやめてあげよう」

鈴木くんが征矢を止めたけど、征矢はまだ殴る気みたいなので私も止めにはいる。

「征矢もう田中が可哀相だよ!ただの間接キスじゃん!」
「ただの……(ああこいつ…やっぱり田中のこと…)」
「田中大丈夫?」
「俺帰る」
「え」
「鈴木も行くぞ」
「えー」

征矢が鈴木くんを引っ張る、鈴木くんは全力でいやがっていた。

「俺も帰るよ」

田中もついていこうとすると征矢がめっちゃ睨みながら田中はいろ、と言った。
田中がぽかんと口をあけた。

「お前はこいつと一緒に青春を謳歌してろ!」
「(えええええええなにそれー)」
「(えええええええ飛鷹くん!?)」
「(え?青春を謳歌?なにそれ?)」
「鈴木帰るぞ」
「あ…はあ」

二人が帰っていった。

「あの……なにこれ……反省会でもしろって言いたいのだろうか…」
「そうかもね……田中……何から反省しようか?」
「…取りあえずこの間の英語のテストのスペルミスを反省しようかな」