そうだジャッカル結婚しよう、何を思い出したと思ったら彼女が突然そう言った。
け、結婚?声が震える、彼女はけたけた笑って、うん、結婚、と答えた。
笑いながら言うことではないはずなんだけどなあと頭に手をやると彼女はいいでしょ、と俺に迫ってきた。
まじで?俺がそう聞くと彼女はニッと笑ってまじで!と答えた。
まだ中学生じゃ結婚できないんだけど、答えると彼女は高らかに笑った。
やっべジャッカルおま!とか言いながら俺の頭をぺちぺち叩く彼女を可愛いと思ってしまう俺の頭の中は大丈夫なのだろうか。
そして彼女は未来の話だよ、とひーひーいいながら言った。
未来?と聞き返すと彼女はうんと答えた。
あ、ちょっと上目遣いになってて可愛いって何考えてんだ俺。
そんなこと考えてたら彼女は言った。

「ジャッカル悪い人に騙されないか心配だからさ、しっかり者の私と結婚しよ」

そんな俺騙されやすいか?と考えていると彼女は丸井とかに、と付け足した。
丸井は悪い奴じゃねぇよ、と言うと彼女は目を丸くした。
俺がなんか変なこと言ったかと思っていたら彼女はニッコリ笑って友達思いなとこも好きと言った。
かあと顔が赤くなるのがわかった。
不意打ちだ。
彼女が俺の顔を覗き込んできた、俺は平然を装って笑った、が彼女にはバレたみたいで照れてるなジャッカル!と大声で言われた。
大声で言わなくてもわかると言えば叫びたかったんだよと笑った。
ああ、やっぱ可愛い奴だ。
俺は彼女の頭を撫でた。
彼女はまたニッと笑ってジャッカルでよかった、と答えた。
は?聞き返すと私友達に何故にジャッカルプギャーみたいなこと言われまくったんだよ、と言った。
プギャーってなんだ、いやそれより言われまくったって!

「いじめか!?」

俺が大声出すと彼女はまたけたけた笑い出した、笑い事じゃねぇよ。
いやいやいじめじゃないよ、でもなんか不思議がられた。と彼女は笑いすぎて出てきた涙をふきながら答えた。
不思議、そうだよなあ俺みたいなだめな人間と勉強もできる美少女、おかしいよなあ。
うんうんと頷けば彼女は俺をじいと見ていた。
ジャッカルが今考えてたこと当ててみようか、と言って彼女は俺が思ってたことを言った。
当たってる。
驚いていると彼女ははあと溜息をついた。

「ジャッカルだめな人間じゃないし、私勉強できないし美少女じゃないし」

そう言って彼女は俺にぴったりくっついてきた、甘えるなんて珍しいな。

「俺はだめな人間だし、お前は勉強できるし美少女だよ」

俺がそう言ってニッと笑うと彼女は何か言いたげな様子で口をもごもごさせていた。
俺が彼女の頭を撫でてやると彼女もニッと笑った。

「私ジャッカルでよかったよ」

そう言った彼女の頭を嬉しくてぐしゃぐしゃにしてやるともうやめてよ、と笑った。