「ばかやろ!なにが連行だ!」
「飛鷹くんキミは最低だよ、女の子あんなに泣かして」
「うっせ、泣かせたくて泣かしたわけじゃねえよ」
「なら謝ってこい」
「は?なんで俺が」
「「謝りなさい」」
「…(いつもとは違う二人の威圧感を感じる…)」

外が騒がしくなったので私は玄関のドアを少しあけて外を見た、そこには二人に両脇をかためられてる征矢がいた。
まさか征矢が来るなんて、二人がほんとに呼んでくるなんて、私はびっくりした。
小さな声で征矢の名前を呼ぶ、征矢が私を見た。

「う(目真っ赤じゃねえかよ)」
「はいそこあけて」
「あけまーす」

鈴木くんがドアを完全にあけた、私はリビングへ逃げる。

「じゃあ俺らはこれで」
「またね僕の天使!そして野蛮人」

二人は征矢をおいて帰ってしまった。
征矢がリビングまでくる、征矢の足音ひとつひとつにビビって私は肩が跳ねた。

「おい」

びくり、また肩が跳ねた。
私は怖くて、征矢を見れなかった、体育座りして顔を隠した。
征矢が舌打ちした、びくり、私の肩が跳ねる。
一歩一歩征矢が近付いてくるのを感じて、手に汗がにじんできた。

「悪かったよ」

ふわり、征矢に後ろから抱き締められた、どき、心臓が動き出した感じがした。
征矢の声が近い、耳元で征矢の声がする。

「つい、嫌いだって言われたから、嫌いだって返しちまったけど」

征矢の呼吸がわかる、征矢の鼓動が聞こえる。

「ほんとは好き、だ」

好き、ぽろり、涙が零れた。
その涙も征矢が指で拭ってくれた。

「わっ、私もね、好きだよ、征矢」
「じゃ、じゃあ俺達」
「また友達、いや幼馴染みとして笑いあえるね!」
「へ」
「私、嬉しい」
「あー…そうだな」
「よかったね!(なぜお互い好きなのにくっつかない)」
「よかったよかった(ぼ、僕にもチャンスが!)」

田中と鈴木くんが庭から見ていた。

「たっ、田中に鈴木いいいい!」

田中と鈴木くんはその後征矢にボコボコにされました。