朝鈴木くんを征矢と探していたら鈴木くんが登校してきた。

「鈴木くん」
「あ、おはよう」
「おはよう、誕生日おめでとう、はい、プレゼント」

私がプレゼントを渡すと鈴木くんの顔がぱあっと明るくなって、私の手をつかんだ。

「ええ!ほんとに!?嬉しいよありがとう」
「シャープペンとカドケシだけなんだけどね」

ごめんね、と言えばいやいやと鈴木くんは首を横にふった。
そして大切に使わせてもらうよ、と微笑んだ。

「俺の金だからな」
「え」

征矢が口をはさむ。

「あは、お金足りなくて征矢に借りたんだ」
「そんな無理をしてまで僕にプレゼントを………好きだ!」

私の肩をつかんで鈴木くんが笑う、ありがとうと言えば鈴木くんはニッコリ笑ってやはり貴女は天使だ、と言った。

「へへ」
「みんな」
「あ、田中おはよう」
「田中くんおはよう」
「はよ」
「あーうん、もう授業だよ」

うそ、と言って時計を見たらもうすぐチャイムがなるところだった。

「じゃあね鈴木くん!」
「もう二度と近寄るな鈴木ー」
「煩いよ飛鷹くん!男の嫉妬は醜いねえ」
「鈴木いいいいっ」
「わー、征矢殴っちゃだめだめ」
「そうだよ飛鷹だめだって」
「ふざけんな!鈴木次会った時覚えてろ」
「僕忘れっぽいから忘れてると思うよ」
「鈴木いいいい!」

征矢の声がよく響いた日でした。