「(どうしよう飛鷹達めっちゃ仲良く手繋いで歩いてこっち来るんだけど逃げた方がいいかな)」
「あ、田中だ!」

私が消しゴムコーナーに田中を見つけて指差すと田中の肩はびくりと跳ねた。

「あはは、奇遇だね(見つかったー、飛鷹めっちゃ睨んでるってかいつもの髪型じゃないとなんだか違和感、あ、飛鷹手離した)」

田中がニコニコしてたら征矢が手を離して、どこかへ行こうとした。
私が征矢の腕をつかむ。

「征矢手離さないでよ!」
「うっせ、付き合ってるわけじゃねえんだからいいだろ」

付き合ってない、そう言われて私はなんだか悲しくなった、いつか征矢も他の女の子と付き合ったりするのかな、手繋いだり、するのかな。
涙がでそうなのをぐっと我慢して私はへりくつを言う。

「な、なによ!付き合ってたらずっと手繋いでるわけ!?」
「知るか」
「もう征矢のばか、田中ちょっと付き合って」

私は征矢の腕をはなして田中の方へ歩きだす。

「え(飛鷹めっちゃ睨んでるー)」
「いいでしょ、ほら田中手だして」
「あーはい(ジャイアンが女だったらこんな感じだな)」

田中が手をだしたので私は田中の手をとる、田中は溜息をついていた。
田中と行こうとしたら後ろから征矢が声をかけてきた。

「なによ」
「悪かったって」
「征矢…」

田中から手を離して征矢の腕を抱く、田中はまた深く溜息をついていた。

「(なにこのバカップル)」
「じゃあまたね田中」
「あ、うん(でも付き合ってないんだよなー、さっさとくっつけばいいのに…あ、鈴木が泣いちゃうか)」