征矢の部屋で寝ていたら帰ってきた征矢に説教1時間された。
幼馴染みだし別にいいじゃんエロ本でもベッドの中に隠してたのかよ、と言えば説教は30分プラスされた。
ちなみに30分の内容はエロ本なんか持ってない、だった。

「どう思うよ田中」
「えー…ここで俺」
「征矢やっぱりエロ本隠してたのかな…田中的にはどう?」
「えー」

朝の学校、早く来た私はいつも早く来ているらしい田中とひそひそ話をしていた。
田中は溜息をひとつついて、私に持ってるんじゃない、と言った。
やっぱり持ってるかなあ、そう言えば征矢が教室に入ってきた。
予想外だった、征矢がこんなに早く朝くるなんて。

「きょ、きょきょ今日は早いッスね飛鷹くん」
「なに言ってんだお前、頭打ったか?」
「飛鷹おはよう」
「ああ、田中か、はよ」

適当に挨拶を交わして征矢は後ろの席に座った、やばいこれじゃあ話ができない。

「ちょっと田中来て」
「あ、うん、さっきの続き?」
「イエス」

田中は溜息をついてトボトボ歩いてきた。
征矢も立ち上がってこっちにくる。

「征矢は来なくていいの!田中早く」
「あ、うん(飛鷹めっちゃ見てるし不機嫌そうだし俺殺されるんじゃ…まさか…ははは)」

田中を教室の外に呼び出した、私は階段に座った、田中も私の隣りに座る。
私が田中に続きを聞こうと思った時、鈴木くんが下からのぼってきた。

「おはよう」
「ああ、鈴木か、おはよう」
「鈴木くんおはよう」
「そうだ鈴木にも聞いてみたら?」

田中がそう言ったので私は鈴木くんにも聞くことにした。

「そうだねかくかくしかじかなんだよ」

そう言えばうん、かくかくしかじかじゃわからないよね、普通、と鈴木くんは笑顔でツッコんだ。

「征矢の部屋で寝てたんだけどね、帰ってきた征矢に1時間説教くらっちゃって、幼馴染みだしいいじゃん、エロ本でも隠してたのって言ったら説教30分プラスされちゃって、やっぱりエロ本隠してたのかなあ」

私がそう言えば鈴木くんは笑ったままフリーズした。
鈴木くん?私が声をかけてもフリーズしたままだ。

「(飛鷹くんの部屋で寝るなんて無防備だな)」
「エロ本以前の問題だよな鈴木(絶対飛鷹襲おうか葛藤したよね)」
「ああ(まず男の部屋で寝ちゃだめだよね)」

なんか男二人で納得しはじめた。
エロ本以前の問題、なんだそれは。

「え。なに?エロ本以前の問題って、え…まさかAV的な!?」
「いや、違うよ(だめだ天然すぎる)」
「飛鷹が怒るのも少しわかるよ」
「僕も」
「ええ!?」

二人とも征矢の味方なのか、私がそう言って俯けば田中はよく聞いてね、と私の肩に手をおいた。
私はうん、と短く返事する。

「男の人の部屋で女の子が寝ちゃだめだよ」

真面目な顔して田中は変なことを言った。

「僕もそう思うよ」
「俺もだ」
「あ(飛鷹いつの間に)」
「あ(飛鷹くんいつから)」
「へ…征矢?」

いつの間にか征矢もいるし、頭がパニックおこしている。

「俺だけならまだしも鈴木なんかの部屋で寝てみろ!絶対変なプレイで襲われるぞ!」
「えー(飛鷹くんの中の僕って)」
「(鈴木ひどい言われようだ)」
「なに?変なプレイ?プレイってなにをやるの?襲われる?」
「(だめだ天然だー!)」
「(天然すぎたー!)」
「(もうだめだこいつ)」
「てか田中!私男の部屋で寝てないし」
「(飛鷹男としてみられてない!)」
「(これって僕のチャンス!?)」
「(え…?どう見られてんの俺?)」