※学パロ
































小野くん、小野くんの制服の袖を掴んで、声をかける。
小野くんはくるりと振り返って私を見た、ばちり、目があって、私はびっくりして目を逸した。

「なに?」

小野くんはニコッと笑った、それだけなのに私の心臓はばくばくと音をたてる、私は赤い顔がわからないように俯く、すると太子が妹子が泣かした、と叫んだ。

「泣かしてません!」

小野くんは太子にそう言って私の前にしゃがみこんで私の顔をのぞき込んだ。
びくり、肩が跳ねる。

「泣いてませんよね?」

微笑む小野くんがかっこよくて、私はぱちぱちと瞬きをした。

「はっ、はい!」

ちょっと裏返った声で答える、小野くんはニッコリ笑って、用事はなんだったの?と言った。
私は日直日誌を取り出して、今日は私と小野くんが日直だということを説明すると小野くんはすっかり忘れてたな、と頭をかいた。

「ありがとう」
「う、うん、大丈夫」

こくこくうなずいて、小野くんの顔を見れば小野くんはくすくすと笑いながらじゃあ僕日誌書くね、と日誌をとんとんと指で叩いた。

「でも、大変、じゃない?部活とかある、よね?」
「大丈夫、黒板よろしくね」

小野くんはそう言って席へ戻っていった、私は優しいんだなあ、笑って、席へ戻った。
チャイムがなって先生が教室に入ってきて、授業がはじまった。
私はちらりと小野くんを見る、真剣な表情で黒板とノートを順番に見て、さらさらとシャーペンをはしらせる姿は、格好よかった、私がくすりと笑うと先生が私の名前を呼んだ。

「はっ、はい!」
「授業に集中しなさい」
「ごめんなさい」

恥ずかしい、みんながくすくす笑っている、小野くんを見れば目があった、どんまい、口がうごいた、本当に恥ずかしい、私は先生を少し恨んだ。
授業が終わって休み時間、私はせっせと黒板を消していた、上の方がなかなか消せなくて、ぴょんぴょん跳ねる。

「大丈夫?」
「小野くん」
「上は僕がやるよ」

そう言うと私の手から黒板消しをするりと奪って上の方を消しはじめた。

「ありがとう」
「どういたしまして」

小野くんは優しいね、そう呟くと小野くんはえ、と私を見た。
私の肩はびくりと跳ねる。

「あ…あの…その…ほんと…小野くんって優しいなあって思ってつい…」
「…キミにだけだよ」
「へ」
「好きな子にだけだよ」

ニッと笑う小野くん、ああこのときめきどうしましょう。