征矢、見覚えのある背中に声をかける。 征矢はくるりと振り返って私を視界にいれると心底嫌そうな顔して走って逃げた。 あ、まてこら、叫びながら私も走り出す、征矢はサッカーやってるから足が早い、が、私も足には少しながら自信があるのだ。 思い切り走って征矢をつかまえた。 「私の足なめんなよ、」 「…」 征矢は私を見て溜息をひとつ、私は征矢の腕をつかんだままちょっ、と、待っ、てね、と息をととのえながらに言った。 息がうまくできるようになったところで私は征矢の女の子のように細い腕をはなした。 なにか用があるなら早く言え、征矢が目で訴えてくる。 私は征矢ん家遊びに行きたい、と言えば征矢は溜息をまたひとつ。 「久しぶりにいいでしょ?」 だめって言っても行くけど、そう言えば勝手にしろと征矢は歩き出した。 私も歩き出す、おばさんに久しぶりに会えるなーなんてニヤニヤしてたら征矢は母さんいないから、と言った。 「父さんと旅行行ってる」 えー、がっかり、そう言って肩を落とすと征矢はまた溜息をひとつ。 あ、もう征矢の家じゃん、私が征矢の家まで走る。 征矢は鍵をだしてドアをあける、お邪魔します、そう言ってあがる。 征矢は茶と菓子でいいよな、と言った。 うん、そう言ってリビングに適当に座って、征矢が飲み物と食べ物を取ってくるのを待つ。 しばらくすると征矢がお茶とお菓子を持ってきて私の前においた。 ありがとう、そう言ってお茶に口をつける。 「アイスは」 「いる!」 征矢はまた席をたった、そしてアイスキャンディーを1本持ってきた、あれ征矢のぶんは、俺はいらない、そっか、そう言って征矢からアイスキャンディーを受け取って舐める。 私はアイスは噛む派ではなくちまちま舐める派なのだ。 ぺろぺろちろちろと舐めていると視線を感じた。 「なに?」 「、いや、なんでもない、はっ、早く、喰えよ噛めよ(エロいっつの)」 「私は噛む派じゃなくて舐める派なの!」 そう言うと征矢はまた溜息をひとつついた。 私はまたアイスキャンディーを舐める。 ちらりちらりと征矢が私を見てくる。 「なに?なんかあるなら言ってよ」 そう言えば征矢の肩が跳ねた、なんか隠してるな、直感的にそう感じた私は征矢に詰め寄る。 「言いなさい」 「………お前、エロい」 「は?」 何を言い出すかと思ったらエロいってなんだよ、けたけた笑うと征矢は顔を真っ赤にしてだから嫌だったんだよ、と言った。 何がエロいのさ、そう言えば征矢はまた溜息をついた。 「………食べ方」 「ああ、舐めるなって言いたいのか」 「おう…」 征矢はそう言って櫛を取り出して髪をととのえた。 私は了解と言って、舐める派だけど噛んで食べた。 「…なよ」 「え?」 征矢は顔をもっと赤くして、他のやつの前ではやんなよ、と言った。 私ははいはいと答える。 「征矢は私にメロメロ、と」 「…」 「ははっ、私も征矢にメロメロ、と」 「な」 「好きだよ」 真直ぐに見つめると征矢は目を逸らして櫛を取り出して髪をととのえはじめた、ちょっとこっち見なさいよ、そう言えば征矢は何も言わずに私を見た。 私がへにゃりと笑うと征矢はまたそっぽをむいた。 「なにか?」 征矢は何も言わなかった、私はけたけた笑う。 「襲いたくなったとか?ははっ」 「よくわかったな」 「ちょ、征矢、アイスアイス」 いきなり征矢に押し倒された。 アイスキャンディーが落ちると思ったらぱくり、征矢が食べた。 私のなのに、そう言えば征矢は一口だけだろ、と笑った。 久しぶりに征矢の笑顔を見た気がする。 私が、アイスキャンディーの棒をどうしたものかと思っていたら征矢がひょいと棒を私の手からとって、テーブルにおいた。 「せ、」 「キスしていい?」 「押し倒しといて聞くか普通?」 「うっせ」 征矢も私も笑った、いいよ、私がそう言えば征矢の手がそっと私の頬にそえられて、ちゅ、と触れるだけのキスされた。 一回で終わると思ったら、征矢の顔がまた近付いてきた。 「ちょ、ん」 今度は長いキス、息が苦しくて、征矢を叩く、征矢はなかなかやめてくれない。 やっとやめてくれたと思ったら、またキス、ちょっと息ができない。 何回かキスされて、やっとやめてもらえた。 「気、がす、んだ…?」 酸素を求めていつもより早く呼吸していると征矢はんーと何か考えていた。 どうしたの、私がそう言う前にまだ足りない、と征矢は呟いて私の服に手を突っ込んできた。 「ちょ、やめ…ばかやろう!」 征矢の顔面に思い切りパンチをきめる、征矢はいってー、と自分の頬を撫でた。 殴るか普通、征矢が言った。 「自分の体は自分で守る!」 「はいはい」 悪かったな、と征矢は言った。 悪いと思うのなら退けよ、と言わないのは私も征矢が好きだからなのかなんなのか。 「ねえもう一回キスして、触れるだけのね」 「むり」 「なんで」 「我慢できない」 「変態」 「うっせ」 征矢はそっぽをむいた、じゃあ私からするもん、そう言って私は征矢の頬に手をそえてこっちをむかせる。 そして、ちゅ、と征矢にキスして笑う。 もぞもぞ、征矢の手が私の服の中に入ってきた。 「…ちょっとまた征矢の手が私の服の中入ってきたんですけどーまた殴られたいのかしらー」 「我慢できないって言った」 「うっせ」 「パクんな」 「ふふ、」 私が笑うと征矢も笑った、ちょっと私の胸触ってる変態いるんですけどー、うっせてか意外とある、目輝いてるんですけどー変態、ちょ、本当にやめろ、もう一度殴ってやると征矢はいってーと言いながらも手は私の服の中に入ったまま、ちょっとまじやめ、そう言った瞬間ドアがあいて、ただいま、と言いながらはいってきた征矢のお母さんとお父さん。 「…お父さんちょっと私達邪魔みたいだから行きましょうか」 「ちょ、おばさんおじさん助けて!」 |