「小太郎」
「はい父さん」
「ぶっ」
「おい泥棒てめー勝手に人ん家あがっておいて僕と父さん見て笑うとら何事じゃボォケェ!」
「いやいやいや、じゃって『小太郎』『はい父さん』って『きたろう』『はい父さん』と同じじゃ…名前も似とるし」
「誰か日本刀持ってきてー」
「日本刀なんかあるわけないじゃ……ろ……」
「こんにちは仁王さんいつも夫と小太郎がお世話になりました」
「過去形!過去形怖い!取りあえず置くナリ!奥さん日本刀置いてー」
「母さん!母さんの手を汚すわけにはいきません…僕が」
「小太郎もやめるナリ!小太郎の手が汚れるのもだめナリ!」
「大丈夫さ、手袋あるから」
「いやああああ目が本気ィイイイッ」
「小太郎、やめないか」
「ゆっ、幸村ぁああっ」
「俺が殺る」
「いやああああ」
「いやいや僕が」
「俺が」
「私が」
「(え?この流れってもしかして)」
「じゃあ三人でせぇので斬ろうか」
「うん、母さん予備は?」
「はいはい待ってて」
「いや、ほ、ほんと大丈夫なんで…痛いの無理だし…」
「いやいや大丈夫、痛いのはほんの死ぬまでの間だから、せぇの!」
「いやああああ」
「まあ手作りのアルミ日本刀なんだけどね」
「ははは」
「ふふふ」
「……(この家族みんな怖い)」