秋だというのに太陽がじりじりと私達を焼きつける、ああ、地球温暖化だっけか、そんな感じのになってきたんだなあと考えて額にでた汗をふく。
隣りに寝転がっている赤也はタオルを顔にのっけて寝ている。
でも本当に寝ているかはわからない、タオルで見えないから。
私の勘では絶対起きている。

「あーだりー」

やはり起きていた。
私もだるい、そう答えれば赤也はタオルをとった。
先輩もですか、と笑った。
ああ可愛い、私もニッコリ笑うと赤也はタオルで顔をふいた。
私もまた汗がでてきたのでタオルでふく。
視線を感じて赤也を見れば赤也がこちらをじいと見つめていた。

「なんだい赤也」
「先輩ちゅうしません?」
「海へかえれわかめが!」

ばちん、思い切りビンタすると赤也はビンタされた方の頬を押さえ泣きそうな顔をした。

「ぐっふぇ!酷いじゃないスか!」
「酷いのはお前の頭だよ!ばーか」

もう一度、今度は軽くビンタすると赤也は私に文句を言った。

「痛!2回もビンタしますか普通!」
「私は普通じゃないのさざまーみろ」

はっはっは、と笑ってやると赤也はちくしょー!と悔しがっていた、ああ可愛い。
私は、赤也を弄るのが好きだ。
赤也のリアクションひとつひとつが生きていて意志を持っているように私の中で蠢く。
変な話だ、私はおかしいのかもしれないが事実だ。

「暑いッスね」

赤也が呟く。
私は答える、暑いしだるい、と。
すると赤也はニッコリ笑って、そうですね、と言ってきた。
ああ、可愛い。

「やっぱり、」
「なんだい?」
「ちゅうしません?」
「海へかえれわかめが!」

ばちん、思い切り赤也の頬をビンタした。