「モスグリーンってどんな色だろ…モスグリーン?緑なのか?実は青とか……」

私の真剣な悩みは隣の席の真面目そうなクリントン滝川?みたいな名前の彼に聞かれたらしくむちゃくちゃ視線を感じる。
いやでも気になってしかたない、モスグリーン…奴は本当にどんな色なんだ、誰かガ○ダムで例えてくれ!やっぱりなし!ガン○ムに例えられてもわかんねーよ!!
頭を抱えて机に突っ伏す、悩んでいるから突っ伏す、別に視線が気になりすぎてやばいとかじゃないし!ツンデレじゃないし!
いや、本当に視線は気になるがツンデレではない、確か知り合いによるとアホデレらしい。
………。
アホデレってなんだァアアア!
ぐしゃり、プリントを思わず握りつぶした、アホデレって…あほではないだろ、ほら、その…ちょっと、その、坊やだからだろ、私赤い彗星に言われたことあるもん!いや、真っ赤な顔で怒った母に小火や!小火なんやはよ逃げ!って言われたの間違いです、小火とか本当に怖かった、ちなみに母は元気です、出身は関西じゃないです。
しかしモスグリーンだけで母の出身の話になるとは。

「モスグリーン…恐ろしい子…」

いや、恐ろしい色?
てかむしろモスグリーンって色なの?
そのへんから詳しくお願いしますウィキさん。
いや今携帯もパソコンもないからウィキさんにいけないけど!
モスグリーン、モスグリーン…燃す、グリーン…?
まさか…赤系?

「なん、だと……?」

いや、燃す緑…燃え盛る森!?
山火事!?山火事なの?
さっき小火の話したけどもっと激しく燃え盛ってるの!?
こんな時はどうすれば。

「110?いや、119?救急!?いや、レスキュー!?」
「…」

やばい隣の彼からの視線がまた戻ってきた、むちゃくちゃ見てる、しかもなんかすごく『君は何を言っているんだ?理解しがたいな…』みたいなこと言いそう!むしろ『クラス替えはなぜ年に一度なんだ…月に一度やってほしい』とか!
土下座した方がいいのだろうか…いや別に私悪いことしてないよね。
存在が不愉快だとか言われたら泣く。

「モスグリーンは苔のような暗い緑色だ」
「……クリントン滝川」
「誰だそいつは」