ごろごろごろごろ、部屋の床を転がる、つまらないな、なんか面白いことないかな、ごろごろごろごろ、ごろごろごろ、ガチャ。

「人の部屋でなにやってんだよ」
「あ、シカマル!」

おかえり、と笑えばただいまと溜息をつくシカマル、ごろごろごろごろ。

「ごろごろすんな」
「えー、だって暇だし」
「踏むぞ」
「え、シカマルってSMの趣味があったの?」
「めんどくせぇ」

シカマルが私を踏まないようにベッドの上にのった、ごろごろごろごろ。
シカマルは今日は何しに来たんだと私に聞いてきたので私はごろごろしに来たと答えた。

「ごろごろしたら帰れよ」
「えっ、うそうそ!シカマルと遊びたくてきたの!」
「……めんどくせぇ」
「ひど!」

取りあえずごろごろはやめて何故か正座する、シカマルをじいと見つめるとシカマルはごろんとベッドに横になってもぞもぞと布団を頭までかぶった。

「寝ないでよ!」
「眠い」
「えー!遊びに来たのに!」
「…悪ぃ、俺さっきまで任務で」
「………疲れてる、のか、ごめん」
「嘘だけどな」
「ひど!」

シカマルは楽しそうに笑った、ひどいよ嘘つくなんて、私がシカマルのばかと言えばはいはいと適当に流された。
私はまた床にごろんと横になる、そしてごろごろ転がった。

「またやってんのか」
「だって暇だもん、あっ、将棋は?」
「お前じゃ弱すぎる」
「ふっ、そろそろ本気を出してやってもいいんだぜ…」

私がかっこよくキメるとシカマルは冷静にその台詞前も聞いた、と言った。

「じゃあもう帰る!」
「そうか、またな」

シカマルがひらひらと手を気怠そうに振る、私はただただその手を見つめて立ち尽くす、自分から言ったはいいものの、帰りたくなんかない。
だってシカマルと遊びたいもん。

「………本当に帰っちゃうよ?」
「ああ」
「…………本当に本当に帰っちゃうよ?」
「はいはい」

シカマルは寝転がったまま、なんだか寂しくて悲しくて、私はシカマルの部屋を飛び出し叫んだ。
「シカマルのお母さーん!お父さーん!シカマルが帰れって殴ったあ」
「嘘をつくな」

部屋から聞こえたシカマルの声、ちくしょうまだ絶対寝転がってる、絶対に、絶対に。

「じゃあ遊ぼうよ」

ひょっこりと部屋に戻りシカマルに声をかける、やっぱり寝転がったままだ。

「はあ、カルタでもやるか、俺が読んでやるよ」
「やったー!」

シカマルが体を起こしながらそう言ったので私はガッツポーズをしながらわいわい一人で盛り上がる。
するとシカマルが笑った。

「なんで笑うの?」
「お前一人でカルタ取って楽しいのかよ」

まだシカマルは笑っている、一人?シカマルがいるから二人だと思うんだけど、あれ?なんか違和感、あれあれ。
シカマルが読むから。

「あっ……ばかあ!」
「ばかはお前だろ」
「っ」
「あ、おい泣くなよ」
「うっ…」
「あー、悪い、少しからかいすぎた」
「なーんちゃって」

にこっと笑えばシカマルも笑った、遊んだか遊んでないかでいったら遊んでないのかもしれないけど楽しかったからこういうのもいいのかもしれない。